リピート / 乾くるみ / 文春文庫 / 752円+税DESIGN: 岩郷重力 + +WONDER WORKZ。PHOTO: (C)ZAMA/A.collection/amanaimages 『イニシエーション・ラブ』と並んで語られることが多いので期待して読んだらまったくの肩透かし。つまんなかったし … “リピート – これはないわぁ…。” の続きを読む
カテゴリー: 本
劉慈欣『三体』 – 馬鹿ネタで楽しいところはあるものの全体としては感心できず
三体 / 劉慈欣 / 大森望、光吉さくら、ワン・チャイ訳、立原透耶監修 / 早川書房 / 1900円+税装画: 富安健一郎 / 装幀: 早川書房デザイン室The Three-body Problem by Cixin Liu, 2006 非常な話題で手にしましたがうーん。つまらなくはないけど、さして … “劉慈欣『三体』 – 馬鹿ネタで楽しいところはあるものの全体としては感心できず” の続きを読む
モチベーション 3.0 – 基本的な報酬ラインがあってこその話
モチベーション 3.0 / ダニエル・ピンク / 大前研一訳 / 講談社α文庫 / 820円+税デザイン: 鈴木成一デザイン室Drive: The Surprising Truth About What Motivates Us. by Daniel H. Pink, 2009 同僚に勧められて読ん … “モチベーション 3.0 – 基本的な報酬ラインがあってこその話” の続きを読む
春宵十話 / 岡潔 – 数学は人の心からとって知性の文字板に表現する学問・芸術の一種
春宵十話/ 岡潔 / 光文社文庫 / 476円+税カバーデザイン: 坂川栄治+田中久子(坂川事務所) 「スミレはスミレのように咲けばよいのであって、そのことが春の野にどのような影響があろうとなかろうと、スミレのあずかり知らないことだ」と数学を探求していた著者が「急に少しお話ししようと思い立ったのは、 … “春宵十話 / 岡潔 – 数学は人の心からとって知性の文字板に表現する学問・芸術の一種” の続きを読む
Gene Mapper – full build – 嘘をつかないSFが最後に到達した解に震える
Gene Mapper – full build – / 藤井太洋 / ハヤカワ文庫 JA / 760円+税カバーイラスト: Taiyo Fujii & Rey.Hori / カバーデザイン: ハヤカワ・デザイン 2037年、遺伝子組み換え作物を遺伝子操作するジーン・ … “Gene Mapper – full build – 嘘をつかないSFが最後に到達した解に震える” の続きを読む
ワールドコンはコミケのおじいちゃん – 藤井太洋×高橋文樹「『三体』はなぜヒットしたのか ? 中国(成都)国際SF大会等報告」
2020年1月24日に行われた HON.jp 主催の「藤井太洋×高橋文樹「『三体』はなぜヒットしたのか? ~ 中国(成都)国際SF大会等報告」」をレポートします。お二人が参加されたダブリン、ソウル、成都の3つの SF 大会を作家枠視点、ゲスト視点でそれぞれ紹介し、途中、コンファレンス参加の意義やコツ … “ワールドコンはコミケのおじいちゃん – 藤井太洋×高橋文樹「『三体』はなぜヒットしたのか ? 中国(成都)国際SF大会等報告」” の続きを読む
Sci-Fire 2019 – 高橋文樹「あなたの空が見たくて」のド直球がいい
「Sci-Fire」は「ゲンロン 大森望 SF 創作講座」メンバーが中心に寄稿するSF文芸誌で、本号はその第三号。私は去年に引き続き文学フリマ東京で購入しました(オンラインでも販売しています)。1年でページ数が増えただけでなく、執筆者の多くがプロデビューしたり、有名な外部寄稿者がいたり(陸秋槎!)、 … “Sci-Fire 2019 – 高橋文樹「あなたの空が見たくて」のド直球がいい” の続きを読む
全身編集者 – ガロ分裂の藪の中
全身編集者 / 白取千夏雄 / おおかみ書房 / 1500円カバーイラスト 古屋兎丸2019年 感想 ガロ編集者で古屋兎丸の担当でもあった白取千夏雄の自伝です(古屋兎丸のデビュー作『Palepoli』には白取千夏雄が本人役で出てくる話があります)。彼の生い立ちと「編集道」に始まり、ガロの再生と分裂、 … “全身編集者 – ガロ分裂の藪の中” の続きを読む
いい曲だけど名前は知らない – さまざまな作風を楽しめる掌編集
いい曲だけど名前は知らない – 高橋文樹自選掌編集/ 高橋文樹 / 破滅派 Kindle 250円 作風の異なる様々なジャンルを集めて作者の引き出しの多さと上手さを喧伝するショーケースのような掌編集。冒頭と最後の心を折られそうな詩の間に人間味のある小説や「不条理」な小説が詰め込まれていま … “いい曲だけど名前は知らない – さまざまな作風を楽しめる掌編集” の続きを読む
闇の天使 – 小さな事件を淡々とつなげただけ
闇の天使 / ジャック・ヒギンズ / 黒原敏行訳 / ハヤカワ文庫 / 720円+税 カバーイラスト: 生頼範義 / カバーデザイン: ハヤカワ・デザイン Angel of Death by Jack Higgins 1995 アイルランドとイギリスの和平交渉に反対するグループが様々な抵抗活動を行う … “闇の天使 – 小さな事件を淡々とつなげただけ” の続きを読む
悪の猿 – キャラが薄く、いろいろ中途半端
悪の猿 / J・D・バーカー / 富永和子訳 / ハーパーBOOKS / 1046円+税表紙写真: muk woothimanop/Shutterstock.com / ブックデザイン: albireoThe fourth monkey by J.D. Barker 2017 シカゴ市警ポーターは、 … “悪の猿 – キャラが薄く、いろいろ中途半端” の続きを読む
文字渦 – 読書中ワクワクしっぱなしの傑作!
文字渦 / 円城塔 / 新潮社 / 1800円+税 書 華雪 / 装幀 新潮社装幀室 2018 生物の「文字」が主役の短編集。生物なので進化したり、化石で発見されたり、光ったり、戦ったり、移動したり、冥王星の軌道上にいたりします。 メタフィクションやの 思考実験 ような文章と、キャラ立ちした登場人物 … “文字渦 – 読書中ワクワクしっぱなしの傑作!” の続きを読む
破滅派八号 – 閉塞感満載の号。アサミ・ラムジフスキー「雲を掴む日」と竹之内温「夜の機械」がよかった
破滅派八号 / 破滅派 / 500円発行 2011/11/3 2018年11月の文学フリマで購入した同人誌です。発行は2011年11月、東日本大震災から半年後です。震災は休止していた同人活動を復活させる程度にインパクトがあったのでしょうが、必然的にどの作品からも忘れていた閉塞感を感じることになりまし … “破滅派八号 – 閉塞感満載の号。アサミ・ラムジフスキー「雲を掴む日」と竹之内温「夜の機械」がよかった” の続きを読む
なぜ世界は存在しないのか – だけど月面の一角獣は存在する、と。
なぜ世界は存在しないのか / マルクス・ガブリエル / 清水一浩訳 / 講談社選書メチエ / 1850円+税 装幀者 奥定泰之 Warum es die welt nicht gibt by Markus Gabriel 2013 Web や NHK で紹介されていて興味を持った哲学者の本。特に「月 … “なぜ世界は存在しないのか – だけど月面の一角獣は存在する、と。” の続きを読む
破滅派 14号 – 長崎朝「改元難民」がタイトルも中身も良かった
破滅派 14号 / 破滅派 / 500円 2018/11/25 発行 「Sci-Fire 2018」と同じく2018年11月の文学フリマで購入した同人誌で、オンライン文芸誌「破滅派」の紙版。初めての「文学系」同人誌でしたが、よい意味でフツーに読める面白い作品ばかりでした。 テーマは「改元」。平成を振 … “破滅派 14号 – 長崎朝「改元難民」がタイトルも中身も良かった” の続きを読む
Sci-Fire 2018 – 甘木零の時代小説SFが素晴らしかった
Sci-Fire 2018 / 破滅派 / 1000円 Cover Illust: Sei-Chan / Cover Design: 太田知也 https://scifire.org 初めて行った同人誌のイベント「文学フリマ」で買った「Sci-Fire 2018」。「ゲンロン 大森望 SF 創作講座 … “Sci-Fire 2018 – 甘木零の時代小説SFが素晴らしかった” の続きを読む
小説すばる 2018年10月号 – はじめての小説誌を面白く読みました。
小説すばる 2018年10月号 / 集英社 / 920円(税込) 表紙イラスト ヨシタケシンスケ / 表紙 AD albireo 生まれて初めて小説誌を購入しました。漫画雑誌と同様、苦手なジャンルや作家に幅広く触れられることができ、新しい発見が多数ありました。普段は翻訳モノがメインのため、日本語の文 … “小説すばる 2018年10月号 – はじめての小説誌を面白く読みました。” の続きを読む
ビブリア古書堂の事件手帖 ~扉子と不思議な客人たち~
ビブリア古書堂の事件手帖 ~扉子と不思議な客人たち~ / 三上延 / メディアワークス文庫 / 610円+税 イラスト: 越島はぐ / デザイン: 荻窪裕司 前巻で「一応」完結したシリーズの番外編、というか新章の始まりというか。時代は現代となり、栞子と大輔は結婚、娘の扉子は6歳になっています。構成は … “ビブリア古書堂の事件手帖 ~扉子と不思議な客人たち~” の続きを読む
君の膵臓をたべたい – 選び取るのは自分
君の膵臓をたべたい 著: 住野よる 双葉社 / 1400円+税 / 2015 装丁: bookwall 装画: loundraw 僕は偶然に彼女の日記を読み、彼女の秘密を知る。 「誰も、僕を許してくれなかった。」 そりゃそうですよね、いくら待っても誰も許してなんかくれません。文庫本に答 … “君の膵臓をたべたい – 選び取るのは自分” の続きを読む
シン・ゴジラ – 凄い、凄い
シン・ゴジラ 総監督/脚本/編集:庵野秀明 監督/特技監督:樋口真嗣 主演:長谷川博己、竹野内豊、石原さとみ 傑作です。素晴らしい。 昨今のリメイク映画と同様、オリジナルへのリスペクト感であふれ返りながら、新しい解釈や技術やアイデアを加えることで一段も二段も上のレベルに引き上げています。ハリウッドに … “シン・ゴジラ – 凄い、凄い” の続きを読む