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屍者の帝国 – 素晴らしい読書体験

投稿日: カテゴリー

屍者の帝国 / 伊藤計劃✕円城塔 / 河出文庫 / 780円+税カバーデザイン: 川名潤(prigraphics) / カバーフォーマット: 佐々木暁 死体に「霊素」を注入した「屍者」の利用が一般化している19世紀後半の英国。ワトソン博士は秘密機関「ウォルシンガム」の一員としてアフガニスタンに派遣さ … “屍者の帝国 – 素晴らしい読書体験” の続きを読む

すずめの戸締まり – 面白いけどテーマと要石がわからずモヤモヤ

投稿日: カテゴリー

すずめの戸締まり / 2022年監督、脚本、原作、編集: 新海誠、声の出演: 原菜乃華、松村北斗、深津絵里、染谷将太、伊藤沙莉、花瀬琴音、花澤香菜、神木隆之介、松本白鸚 すずめは「閉じ師」の草太に「扉」のありそうな廃墟の場所を教えた後、自分でも扉を見つけ、そばの「要石」を抜き、地下の「みみず」を呼び … “すずめの戸締まり – 面白いけどテーマと要石がわからずモヤモヤ” の続きを読む

Sci-Fire 2021 – 高木ケイ「進化し損ねた猿たち」が良かった

投稿日: カテゴリー

Sci-Fire 2021 特集アルコール 1500円責任編集者: 甘木零表紙絵: 仁科星 / レイアウト: 太田知也 キーワード「アルコール」。その一語で、ここまで多様にSFを仕立てた執筆陣に感心します(私は「酩酊」「消毒」以外、浮かびませんでした)。表紙はこれまでのクールなもの(それはそれで良か … “Sci-Fire 2021 – 高木ケイ「進化し損ねた猿たち」が良かった” の続きを読む

本の雑誌 2022年11月号 – 本書片手に散歩したら楽しかった

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本の雑誌 2022年11月号 (No.473) / 本の雑誌社 / 800円 + 税表紙デザイン クラフト・エヴィング商會 [吉田博美・吉田篤弘] / 表紙イラスト 沢野ひとし 特集は「やっぱり神保町が好き!」で、なにげに特大号。 そこまで常に買いたい本があるわけでなく、また背表紙や店頭本を見てサク … “本の雑誌 2022年11月号 – 本書片手に散歩したら楽しかった” の続きを読む

伴名練 編『新しい世界を生きるための14のSF』

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新しい世界を生きるための14のSF / 伴名練編 / ハヤカワ文庫JA / 1360円+税カバーイラスト: 九島優 / カバーデザイン: 川谷デザイン 新鋭の作品だけを集めたSFアンソロジー。まえがきの「本当はあと200ページ欲しかった」は、お決まりの宣伝文句でなく、真に充実した内容。どの作品も力が … “伴名練 編『新しい世界を生きるための14のSF』” の続きを読む

本の雑誌 2022年10月号 – 服部文祥の食料を作るためのエネルギーという観点は怖い

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本の雑誌 2022年10月号 (No.472) / 本の雑誌社 / 700円 + 税表紙デザイン クラフト・エヴィング商會 [吉田博美・吉田篤弘] / 表紙イラスト 沢野ひとし 特集は「あなたの知らない索引の世界」 索引が充実して初めて意味を成す本はあるだろうし、そうしたあるべき本に索引がないと最悪 … “本の雑誌 2022年10月号 – 服部文祥の食料を作るためのエネルギーという観点は怖い” の続きを読む

本の雑誌 2022年9月号 – 本の修理はカラーで見たかったな

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本の雑誌 2022年9月号 (No.471) / 本の雑誌社 / 700円 + 税表紙デザイン クラフト・エヴィング商會 [吉田博美・吉田篤弘] / 表紙イラスト 沢野ひとし 特集は「本を直す!」 服部文祥の東日本大震災で書棚から落として背表紙が割れたお宝本の修理から始まり、パラフィンや自作カバーや … “本の雑誌 2022年9月号 – 本の修理はカラーで見たかったな” の続きを読む

本の雑誌 2022年8月号 – 特殊設定ミステリーというらしい

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本の雑誌 2022年8月号 (No.470) / 本の雑誌社 / 800円 + 税表紙デザイン クラフト・エヴィング商會 [吉田博美・吉田篤弘] / 表紙イラスト 沢野ひとし 「本棚が見たい!」は吉田戦車。欲のない感じがらしいと言えばらしく想像どおりなんだけど、もう少し自分の本が並んでもいいんじゃな … “本の雑誌 2022年8月号 – 特殊設定ミステリーというらしい” の続きを読む

ソラリス

投稿日: カテゴリー

ソラリス / スタニスラフ・レム / 沼野充義訳 / ハヤカワ文庫SF / 1000円+税Cover Design: 岩郷重力+N.SSolaris by Stanislaw Lem 1961 海の惑星「ソラリス」の観測ステーションに降り立ったケルヴィンは、先行の3人の研究者のうち、1人が直前に自殺 … “ソラリス” の続きを読む

本の雑誌 2022年7月号 – 大槻ケンヂの充実度がよかった。

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本の雑誌 2022年6月号 (No.469) / 本の雑誌社 / 700円 + 税表紙デザイン クラフト・エヴィング商會 [吉田博美・吉田篤弘] / 表紙イラスト 沢野ひとし 「本棚が見たい」は遠藤諭。ASCII の雑誌で何度か見かけた懐かしい名前。まだ現役の編集者なんだなぁ、旧友に会ったようで素直 … “本の雑誌 2022年7月号 – 大槻ケンヂの充実度がよかった。” の続きを読む

斧田小夜『ギークに銃はいらない』

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ギークに銃はいらない / 斧田小夜 / 破滅派 / 2200円 + 税カバー: 斧田小夜 ギークな少年らが遭遇する事件、入眠装置でも安眠できないトラウマ、突然の父性の喪失と負う役割。SFの仕掛けの上で小さな勇気や勝利や謎が描かれます。 都内の夜明けのシーンと交易びとゲレクタシの言葉が印象的でした。 … “斧田小夜『ギークに銃はいらない』” の続きを読む

サークルクラッシャー麻紀 – クラッシュぶりもいいが、ほかもいい

投稿日: カテゴリー

サークルクラッシャー麻紀 / 佐川恭一 / 破滅派 / 550円カバーイラスト:2017年発行 紙版が出るのを待ってましたが、長編版が『シン・サークルクラッシャー麻紀』として単行本化されたため、主義に反して電子書籍で購入しました。電子版でベストセラーだったのできっと単行本化されると思っていたのですが … “サークルクラッシャー麻紀 – クラッシュぶりもいいが、ほかもいい” の続きを読む

シン・ウルトラマン – ウルトラマンが骨身に染みてないと楽しめない映画

投稿日: カテゴリー

シン・ウルトラマン監督: 樋口真嗣 / 脚本: 庵野秀明出演: 斎藤工、長澤まさみ、有岡大貴、早見あかり、西島秀俊 うーん、乗り切れなかった。残念。面白いんだけどね。本当はもっと感動したかった。 「スター・ウォーズ / スカイウォーカーの夜明け」を楽しめたのの逆パターン。 観賞後、パンフや Twit … “シン・ウルトラマン – ウルトラマンが骨身に染みてないと楽しめない映画” の続きを読む

本の雑誌 2022年6月号 – 西村賢太愛を感じた追悼号

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本の雑誌 2022年5月号 (No.4676) / 本の雑誌社 / 1000円 + 税表紙デザイン クラフト・エヴィング商會 [吉田博美・吉田篤弘] / 表紙イラスト 沢野ひとし 特集は「結句、西村賢太」 連載「一私小説書きの日乗」は楽しみにしていたものの、芥川賞受賞作『苦役列車』さえ読んだことがな … “本の雑誌 2022年6月号 – 西村賢太愛を感じた追悼号” の続きを読む

80年代音楽解体新書 – 時代の空気感まで伝わりました

投稿日: カテゴリー

80年代音楽解体新書 / スージー鈴木 / 彩流社 / 1600円+税カバーイラスト: 大月明日香 / 装丁: 仁川範子2019年発行 「ザ・カセットテープ・ミュージック」を見ていてこの人だれなんだろう? と思っていたスージー鈴木の80年代ヒット曲の理系的、構造的な音楽評論。 技術的な解説はさっぱり … “80年代音楽解体新書 – 時代の空気感まで伝わりました” の続きを読む

破滅派16号 追悼・山谷感人 – 亡霊のような圧と園田さん

投稿日: カテゴリー

月末の文学フリマで新刊が出る前に片付けようと、ゴールデンウィークの中日に積ん読の「破滅派16号 追悼 山谷感人」を読んでたら、偽物であることにかけては、誰よりも本物だった山谷感人の、亡霊のような圧に疲れました。多くの同人は直接の関係はないはずですが、みんな料理が上手だわ。薄気味悪い写真と真っ赤な表紙 … “破滅派16号 追悼・山谷感人 – 亡霊のような圧と園田さん” の続きを読む

本の雑誌 2022年5月号 – 西村賢太なら「生き様」が許されるのかツボちゃんに聞いてみたい

投稿日: カテゴリー

本の雑誌 2022年5月号 (No.467) / 本の雑誌社 / 750円 + 税表紙デザイン クラフト・エヴィング商會 [吉田博美・吉田篤弘] / 表紙イラスト 沢野ひとし 特集は「出版業界で働こう!」 出版社面接担当者本音座談会が良かったです。その出版社の扱う作品のオタクより、話題の幅が広い、ミ … “本の雑誌 2022年5月号 – 西村賢太なら「生き様」が許されるのかツボちゃんに聞いてみたい” の続きを読む

本の雑誌 2022年4月号 – ソ連とかアイルランドとかただの背景だったのに

投稿日: カテゴリー

本の雑誌 2022年4月号 (No.466) / 本の雑誌社 / 700円 + 税表紙デザイン クラフト・エヴィング商會 [吉田博美・吉田篤弘] / 表紙イラスト 沢野ひとし 本棚が見たい!に登場した、本と珈琲と暮らす人、大森皓太のブックカフェ風自宅が超綺麗。決してい広い部屋ではなさそうだが、ごちゃ … “本の雑誌 2022年4月号 – ソ連とかアイルランドとかただの背景だったのに” の続きを読む

本の雑誌 2022年3月号 – 徳永圭子の「物語へ転げ落ちる言葉の魔法」がよかった。

投稿日: カテゴリー

本の雑誌 2022年2月号 (No.465) / 本の雑誌社 / 700円 + 税表紙デザイン クラフト・エヴィング商會 [吉田博美・吉田篤弘] / 表紙イラスト 沢野ひとし 特集は「文体は人生である!」 絶叫歌人福島泰樹のインタビューは編集発行人浜本の意向でしょうね。短歌の文体は「一人称詩型」だそ … “本の雑誌 2022年3月号 – 徳永圭子の「物語へ転げ落ちる言葉の魔法」がよかった。” の続きを読む