本の雑誌 2024年2月号 – 高鍋町の斉藤書店の客注の短冊は嬉しかった

投稿日: カテゴリー

本の雑誌 2024年2月号 (No.488) 綿入れ雪おろし号 / 本の雑誌社 / 700円 + 税
表紙デザイン クラフト・エヴィング商會 [吉田博美・吉田篤弘] / 表紙イラスト 沢野ひとし

特集: 問い合わせはドラマを生む

予想の範囲内の話が多かったけど、本屋に来るお客さんが、書籍や雑誌とWEB マガジンを混同するのは今風。逆に言えば、まだそれだけ書籍にも存在感があるということか。

客注で思い出すのは、私が中高時代に通っていた、隣町の斉藤書店。入荷すると短冊に筆でタイトルや筆者を書いたものを、レジ上にずらっと貼っててくれてました、中学生が注文した文庫本1冊でも。嬉しかったなぁ。
先日、実家に帰ったとき、そのとき買った新潮文庫版シャーロック・ホームズ全部を、あだち充の初期揃いやアリステア・マクリーン文庫揃いとともに縛って捨ててきました。実家の片付け前提で荷物を減らさざるを得ず、スーツケースに入る分には限りがあって泣く泣く、身を切る思いでした。

新刊

柿沼瑛子では初の商業的ゲイ・フィルムの謎が絡む『ムービータウン・マーダーズ』は行き着く先が「かつては美しかった夢の残骸」と良さそう。
石川美南では筆を折った作家のその後で共通の『人類の深奥に秘められた記憶』と『さらばボゴタ』。
大森望では、オールドスタイルでSFマガジンに挑むと聞いて期待していた『さやかに星はきらめき』が、彼的には合わな買ったらしい。俺はどっちかな。『奏で手のヌフレツン』は五つ星。『宇宙の果の本屋 現代中華SF傑作選』も良さげ。
宇田川拓也は『シャーロック・ホームズの凱旋』。森見登美彦は抑えたいけど未読。

連載、コラム

凪良ゆうは本屋大賞で買った本。小川哲を始め新刊がずらりと並び、本当に小説が好きなんだなぁ、あと料理。ところでどうして「凪良ゆう」はGoogle IMEで出ないの?

urbanseaは「当事者たちの割り切れない思いや息遣いを伝えられる」雑誌を、「極端なまでに善悪の峻別が行われるネット」と対比する。
♪akiraでは、なんでこれで現代と交錯するのか面白そうな『薬屋の秘密』と、映画「梟 -フクロウ-」。

服部文祥は自由とクマと人間。説得力が半端ない。北海道無銭サバイバルして、ヒグマを撃って食すだからなぁ。
浅生ハルミンのこけしの話は最初どうしたものかと思ってたけど続けて読んでいるといつの間にか当たり前のように思われる。今まで古本屋に置いてある大きなこけしに見向きもしなかったけど、顔くらいはみるようになった。相変わらず興味ないけど…。木を伐採する工人もいると知って純粋に驚く。そこまでの工芸品なの!?

川口則弘の文芸記者列伝は最終回。誠実で正直な人には優しい。SNSで作家が直接、言葉を届けられる時代にも「文芸記者」の役目はあると私も思います。

三角窓口。
原田マハと原田ひ香がいるのか。初めてカチッと認識したわ。
読者の最年少が56歳。うーむ。って俺じゃ駄目だけど、若者読んでよ。面白いよ。

次号の特集はメフィスト賞。あんまり知らないけど、直木賞か芥川賞の受賞記者会見で過去のメフィスト賞に触れられて「よくぞ質問してくれました!」と答えたのは、辻村深月だったか ?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です