本の雑誌 2021年2月号 – 「古本屋台」いいなぁ

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本の雑誌 2021年2月号 (No.452) / 本の雑誌社 / 667円 + 税
表紙デザイン クラフト・エヴィング商會 [吉田博美・吉田篤弘] / 表紙イラスト 沢野ひとし

特集は「街ノンフィクションを読め!」

悪くないのだけど、どうしてこうドヤ街とかヤミ市とか遊郭とか、裏社会的なものになるのかな…。あ、でも末尾の「今月書いた人」でフリート横田の「人々の記憶からも戦後が消える前に、なんとか書き留められた歴史があります」ってのはちょっと響きました。
読者の大方直哉さんの紹介が魅力的な『写真集 シャーロック・ホームズの倫敦』がとても見たいです。

『流浪の月』で本屋大賞を受賞した凪良ゆうが、副賞の10万円図書カードで買った本の一覧を公開。2020年に生きてきた肌触りの伝わる良いエッセイです。朝井リョウ「肛門記」気になる…。

高野秀行は短編を読んで自信をつけて、『スキャナー・ダークリー』で挫折。でも我慢して読んでちょっとずつ面白くなる。実に正しいディックの読み方の気がします。しかも、同じ本でもこちらの体調次第、気分次第で、面白かったり、面白くなかったりするんですよね。

新刊では吉野仁が勧める『ホテル・ネヴァーシンク』。章ごとに時代も語り手も代わるのはいいですね。一方で『そして、海の泡になる』に興味がわかないのは『白夜行』にあまりいい印象がないからか、日本だと事件が近すぎるからか。古山裕樹と北上次郎の推す『地べたを旅立つ 掃除機探偵の推理と冒険』は面白いかなぁ…。ちなみに古山裕樹の最初のル・カレの印象は「読みづらい」。それが今は愛読書とか。羨ましい変化です。
冬木糸一の『民主主義の壊れ方』は特にトランプからバイデンに変わった今、タイムリーです。何十年もぼんやりした概念の言葉でしかなかった「民主主義」を実感持って聞いたり話したりしています。

イランのミステリ映画「ウォーデン 消えた死刑囚」は♪akiraの紹介。このエッセイは当たり。
田中香織が紹介する『わたしのジャンルに「神」がいます』は読んでました。行動の熱量だけでなく、その前の妄想やら想いやらも含めて面白かった。あと単純に文章でもここまでなるのだなというオタク文化の醸成の度合いに驚きました。
鈴木輝一郎は「あまり知られてないが」と作家が介護をさせられる話を紹介するけど、これ連載初期に自著の紹介も含めてあったよね?
大山顕は「不思議なエレベーター」。エレベーターが出来て初めてフロアの概念ができたらしい。
「古本屋台」(p.100)がむっちゃいい!! このわざとじゃない感じ。上手すぎる。最後のやったァ!はみんなの叫び。
青山南は、アンソニー・ボーデインの、ヴェトナム人作家バオ・ニン『戦争の悲しみ』の紹介が上手いというんだけど、あなたの紹介もなかなかのものです。読みたい。
やきそば みかさ @ 神保町。メモしました。

読者の高齢化を憂いているのは私だけではないんだな(p.115)。前も書いたけど、コンピュータソフトウエアの専門誌「Software Design」は平均読者年齢が40代~50代だったのを、若返り企画を推進し、学習色を濃くしたことで、現在では20代~30代が忠心とか。見習うべきだよ、継続したかったらと思います。

マーク・グリーニー読者(p.116)。周囲に冒険小説ファンがいなくてそれだけでも珍しいのに、しかも女性とか。テレビの誰かの代役で出たみうらじゅん。台本の下はえびすさんかなぁ(p.117)。

円城塔はテグマークの紹介。MITの教授。イーロン・マスクにカネを出させる。これだよなぁ。イーガンの直行三部作の元ネタの一つもテグマークとか。
風野春樹は『世界のひきこもり』。ひきこもりは、日本だけじゃないという話を日本人が書いている。これまで日本だけと思われていたのは単に単語「Hikikomori」がなかったからというのも面白い。『わたしのジャンルに「神」がいます』の「おけけパワー中島」もそうでしたね。
堀井慶一郎によると、『阿房列車』は「あぼうれっしゃ」じゃないそうです。知らなかった…。
東直己はちょっとは興味があったんだよね、特に名前的に。読むかなぁ。ジャンル的に読まなさそうだなぁ。

次号の特集は「もしもベストセラーを出したら」。「超ベストセラー翻訳家」へのインタビューが掲載予定なのですが誰なんだろう? 『三体』の大森望さん? キングの白石朗さん? 必ず文庫化される(だっけ?)田口俊樹さん?

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