スター・ウォーズ 最後のジェダイ – 予想を裏切る素晴らしい展開

投稿日: カテゴリー

スター・ウォーズ 最後のジェダイ
監督: ライアン・ジョンソン
2017年12月23日(土) TOHO シネマズ新宿 スクリーン10 (IMAX 2D) F-11 2,300円
Star Wars: The Last Jedi
Directed by Rian Johnson, 2017

ファースト・オーダーとの戦いで甚大な被害を被ったレジスタンスはハイパースペースに逃げ込むも追尾され、燃料切れへと追い立てられる。フィンとローズは敵戦艦に潜入後、追尾装置の破壊を試みる。
レイは隠遁中のルークからジェダイの教えを受ける途中、レンとの交流により、ルークがかつて弟子としていたレンを殺そうとしていたことを知る。

フォースの覚醒」が、途中までは切れの良いアクションを見せながら、後半は「新たなる希望」の焼き直しへと失速したのに比べると、本作は追われるレジスタンス、追うファースト・オーダーとストーリーをシンプルにした分、レイとレンの複雑な交流に時間を割き、フォースやジェダイの意味を問い直すなど、一見地味な話を中心に据えた上でルーク・スカイウォーカーを主役に置く思い切った展開。マーク・ハミルもこの期待にしっかり応え、堂々たる作品に仕上がりました。

前作を受ければ、最高指導者スノークの悪への誘いを得ながらもレイの助けにより光の道に転向するカイロ・レンの姿が想像され、実際、冒頭にはそのようなシーンもあって、「ジェダイの復讐」的な流れを誰もが予想したはずです。
ところが本作ではレイとの交流を真正面から描き、ルークの裏切りにレンへの同情心とジェダイへの不信感を植え付ける予想もしない展開でした。スノークの前に引き立てられてからも、ありがちなシーンの連続に観客が失望しかけたころから一転、驚きのバトルと結末と、二人だけの未来を創らせようとする流れ。素晴らしいです。

正直、「スター・ウォーズ」でこのような予定調和でない、一見地味な展開が可能とは思いませんでした。「ブレードランナー 2049」が真正面から SF に取り組み、恐らくリドリー・スコットの力が大きかったのだろう、彼がいなかったらどれほどドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が望んでも無理だったろうと結論づけていました。ハリウッドも何が望まれているのか理解し始めたということなのでしょうか。

スクリーンの外でも中でも「伝説」と化したルークやジェダイを明確に否定し、隠遁させるだけでなく、記念碑的な書物ごと吹っ飛ばす展開も予想外。あと輸送船で逃げるシーン、船外からのカメラが中のレイアを捉え、前方の白い惑星を見せるシーンは「帝国の逆襲」を思わせます。しかも、そのまま終わらせず、直後に逃亡作戦を失敗させ、観客をがっかりさせる技。見事です。

こうした過去作品を踏まえた上での新展開がすべて良い方向に出ました。

ヨーダの登場はタイトル「最後のジェダイ」にふさわしいシーン。伝説の書物を「古臭い」と言い放ち、楽しげに説教し、一方で久しぶりに「弟子」に戻ったルークは素の語りを見せ、最高に楽しそう。ライトセーバーを振り回すヨーダなんて見たくありません。

また一度はジェダイの教育を拒んだルークがどのように心を変えるのかと思っていたら…。ミレニアム・ファルコン号の中で一人感慨に浸るルークに R2-D2 が応え、レイアのビデオを再生する。これ考えた脚本家は天才だろ! 隠遁するオビ・ワンとまったくかぶるもんね。本当に泣きましたわ。

本題とは関係ない部分ですがユーモラスな部分が非常にうまかったですね。前作はフィン一人に任されバカみたいなシーンもありましたが、今回は C-3PO に間抜けな顔しないで、とか、フォースを感じさせる部分で草を動かしたりとか、さらりと。新キャラのポーのあざとさも前作の BB-8 ほど嫌味でなく、この面でも良くなっていました。

欠点を挙げると戦闘シーンには新味がありませんでした。これまでは「ローグワン」を含め何かしらの新しいシーンがあったと思うのですがね。
もう一つはキャスティング。残念ながらアダム・ドライバーに魅力がありません。ヘイデン・クリステンセンもさほど華があったとは思いませんが少なとくも悪に転向する危うさや一途さはギラギラと出ていました。あとアジア系のキャラって合わないと思うんだよな、市場を考えたせいかディズニー的な配慮か。

ガチャガチャした展開を止め、最高指導者スノークや使い所のないキャプテン・ファズマをあっさり殺し、ヨーダのひどい複製にしか見えないマズ・カナタの出番を最小限に抑えるなど、前作のまずかった部分を完全に修正し、一方でレイとレンの関係やルークの活躍を描いた本作は、事前の不安を払拭し、予想を完全に裏切る素晴らしい作品でした。

スター・ウォーズ フォースの覚醒 – リスペクトと焼き直しの間で

 

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