Software Design 2017年5月号 – ワニ嫁がいない!!!

Software Design 2017年5月号 / 技術評論社 / 1220円+税
ロゴデザイン: デザイン集合ゼブラ+坂井哲也 表紙デザイン: 藤井耕志(Re:D) 表紙写真: Kadmy / AdobeStock

なんと目次からワニ嫁が消えています。旦那や子供を顧みず、いつもくっちゃべっては反省するあのグータラ感がたまらなく好きだったのに、なんなんだこの可愛い子犬は!!? 表紙に子猫ばかり使っていることに対する編集部内の犬派の巻き返しなのでしょうか。ワニ嫁、戻ってきてほしい。

「オープンソース放浪記」では Open Source Conference の入場者数が減少傾向にあることと、新しい試みを始めたことがが紹介されます。書かれているように明星大学が場所的に遠いという問題はありますが、オープンソース自体が普遍的なものになり、ひところの手作り感が失われたのが大きいのだろうと私も想像します。使用者数もビジネス規模も増えながら、新人たちは別の方を向いている図。jus の記事もたまに寂しいときがありますから、成熟すると仕方ない面も。まつもとゆきひろがコミュニティを盛り上げるには何か惹きつける題材が必要と言ってましたが、そういうことなのでしょう。

第1特集は「Linux入門 UNIXネットワーク編」。Wireshark でパケットを覗くところから始まり、HTTP、net-tools / iproute2、ルーティング、samba、DNS、BIND と解説していきます。あまり触らない部分なので助かりました。

第2特集はドッグフーディング。自分で作った製品やサービスを自分で使うことを指す言葉です。決して嫌味のつもりではないのですが、丁寧に経過を振り返りながら説明していった結果、サイボウズのリクルーティングと kintone の宣伝になっているように感じました。ドッグフードの前に企業の風土が必要。
ちなみに最初にドッグフーディングを聞いたのは『闘うプログラマー』でカトラーが、マイクロソフト社内のファイル共有を OS/2 から Windows NT に変えたときでした。

第3特集はブロックチェーン。手際よくまとめられていますが分量的にはもう少し欲しかった。変化の激しい技術ですので可能なら連載にしてほしいです。

使用するコンピュータ環境が変わったのに合わせメインの日本語テキストエディタを Emacs に変えて勉強中なのですが、その選択に影響を多少与えたるびきちの連載が終了。残念。とりあえず helm でなく anything を使ってみます。

その代替ではないでしょうが Lisp が短期集中連載。当然「良い所」を褒める記事になるわけですが、アイコンの女の子らのツッコミが面白すぎる。これは地味に拾い物でした。

同じく新連載では「RDB アンチパターン」。「RDB性能トラブルバスターズ奮闘記」の直前に置かれていますが、これまで同様の趣向で良い記事を連発してきているので、ちょっと不思議な新連載です。

「温故知新 ITむかしばなし」は「OS/9」。FM-11 にあったやつで、たまに「Oh FM」でも紹介されていましたが当時、よく分かりませんでした。改めて読むと凄いなぁ、8bit CPU でマルチタスク、マルチユーザーとな。今も生きているらしいし。

Ubuntu の記事にある「翻訳の問題」はこちらのこと。

https://togetter.com/li/1084225

きっと翻訳を始めた動機は素直な所からだったのでしょうし、自分の作業を認めてくれない日本語チームにいらついていたのでしょう。そこまでの過程は理解できます。ただ誤訳の指摘や、機械翻訳を突っ込んではいけないことへのコメントに対する態度は感心できません。せっかく成長できるチャンスなのにもったいない。

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