Software Design 2016年3月号 – COBOL をやることになった人向けの記事が欲しかった

Software Design 2016年3月号 / 技術評論社 / 1220円+税
ロゴデザイン: デザイン集合ゼブラ+坂井哲也  表紙デザイン: 藤井耕志(Re:D)  表紙写真: Life On White /gettyimages

特集は「チーム開発をまわす 現場のアイデア」。「SUUMO」「Retty」「Qiita」それぞれでどのようにチーム開発を効率化したかの話し。外部の圧力や、トップダウンの号令による変革であっても大変だと思うのですが、ここに挙げた3社はどこも自動化を上手く使いながら内部リソースによって社内文化を改革している点が素晴らしいです。

第2特集は COBOL。特に「良いCOBOL、悪いCOBOL」が素晴らしい。曰く「現代のITを巡る文化、組織すべてが COBOL 時代のものであり、これらはもう時代と合わないのだから、止めれば?」と。そのとおりですよね。帳票 = パネルの数とその中の項目が決まれば、デザインなんて 80 x 25 キャラクターで表現できる程度ですから。現代の 1920 x 1080 の 24bit カラーを HTML5 と CSS3 で自由にデザインとはまるで異なります。技術的な違いだけでなく文化的な違いも「COBOLから別のプログラミング言語を習得するときのヒント」が言う学びの差、テストの考え方の差で顕著だったりします。
… と、それぞれの記事は面白いのですが、全体の方向性が曖昧。ターゲットの読者を絞りきれなかったのが原因でしょうか。ここは是非「これまで Software Desigin の読者だったのに何故かメインフレームのお守りをすることになった不幸な人」を対象の COBOL 入門であって欲しかったと思います。

清水亮の「ペンコンピュータの軌跡 iPad Proのさきに見えてくるもの」は導入の「軌跡」の部分は丁寧なものの、結論がはっきりせず、iPad Proのさきに何も見えてきませんでした。
しかもアラン・ケイに見せたとご自慢の enchantMOON は、末尾のニュースによると終了宣言し、次期コードネーム「Discovery」で新しい旅に出るとか。うーん、この聖杯を求め続けているのは本人ですというオチなのでしょうか。ペンコンピュータで何かきっとできることがあるはず、という筆者の気持ちは激しく同意しますが…。

「Webサイトが改ざん! サイトオーナーがとるべき行動と注意点」は分かりやすい説明で良かった。繰り返し協調される保全の考え方も、落ち着いて考えれば当然なのでしょうが、なかなかできない点です。

「クラウド時代のWebサービス負荷試験再入門」は最終回。これまでのローカル環境での確認も大変でしたが、いよいよリモート接続が始まり、もっと大変。正直このレベルに達するまでのしっかりしたテストは難しいと思いますが、目指すゴールが明確に設けられる意味でもよい記事でした。

「RDB性能トラブルバスターズ奮闘記」は基本的な話。現在は覚えることが大量にあり、かつ、昔ほどミドルウエアがむき出しでないのでなかなか意識できないよなと思います。が、これは知ってないと実プロジェクトでは厳しいでしょうね…。

Swiftは Protocol の使い方。重要なことは分かりましたが、Protocol そのものを知らないのでさっぱり。えー、Class が5個? とそっちも驚きました。

Hack for Japan は島ソン。1回目より2回目、そして続けることの大変さに真摯に取り組んでいる姿勢がいい。

温故知新 ITむかしばなしは BASIC。Visual Basic 6.0 の COM プログラミングが大好きでした。よく出来ていたと今でも思います。

 

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