遠すぎた星

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遠すぎた星 – 老人と宇宙2 / ジョン・スコルジー / 内田昌之訳 / ハヤカワ文庫SF / 860円+税
カバー・イラスト : 前嶋重機 / カバー・デザイン : ハヤカワ・デザイン
The Ghost Brigades by John Scalzi

コロニー連合を裏切り、オービン族ら側についたドクター・ブーティンの真意を知るべく、そのクローンとして研究所で作られたジェレド・ディラックは、ゴースト部隊の一員として教育を受け、セーガンと共に戦闘に参加、ブーティンの人類に対する裏切りの背景を探りながら、彼自身を捜索する。

「老人と宇宙」の続編。気持ち良い語りが続くことに変わりはありませんが、ブーティンの裏切りに対する動機が弱いのと、ディラック、そしてカイネン管理官の振る舞いに爽快感は無く、読み終えた後味は微妙でした。大味で大甘な展開が続く前作の感じが良かったなぁ…。

続編の作りとしては悪くありません。ジョン・ペリーは名前でしか出てこず、代わりに「コーラルの戦い」で助けられたセーガンを脇役にすえ、ゴースト部隊の成り立ちや訓練に目を向けたり、ブレインパルに新たな解釈を加えたりと、とても工夫されています。背景のマットスン将軍、シラード将軍、ロビンズ大佐の配置も鉄板。以降の続編に期待しましょう。

メモ
エネーシャ族 = 甲殻類
ララエィ族 = カイネン管理官。「コーラルの戦い」で敗北。人肉を嗜好
オービン族 = 意識を熱望
コンスー族 = 知的種族

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