本の雑誌2011年10月号 (No.340)

本の雑誌 2011年10月号 (No.340) / 本の雑誌社 / 648円 + 税
表紙デザイン 和田誠 / 表紙イラスト 沢野ひとし

特集は「平成時代小説八百八町」。初心者にありがたい対談は青木逸美と東えりか。その後の作家相関図も分かり易く、この2本の記事さえ抑えておけば取り敢えずは入門編クリアな内容です。おかげで今回始めて隆慶一郎と峰隆一郎が別の人だと知りました… <- バカ。作家紹介その中で異色さを発揮する荒山徹を風野春樹がフィーチャー。特撮との絡め方などむしろSF初心者向きの作家さんではないか。漢字の面倒くさいのなんか慣れたものですしね。 匿名座談会では暗黙のうちにスケジュール調整するなど業界全体の優しさがにじみ出ています。時代小説作家にいい人が多いという所から来ているのでしょうね。
穂村弘のエッセイには忘れていた子供時代の心情がくっきりと描かれ驚くこと多数。今回は夏休み。一日一日と過ぎていく無駄な時間とその自覚がたまりません。
風野春樹は「正確な記憶が脳の中のどこかにしまいこまれているなどというのは、ただの伝説にすぎないのだ。」と言い切っています。多分そうだろうなとは思っていましたが、精神科医に言い切られるとちょっと残念。
入江敦彦のベストセラー温故知新は『見栄講座』。羞恥プレイとまで言い切っていますが、私はそこまでないですけどね。ホイチョイが好きなだけか。少なくとも『第5世代コンピューター』は確信犯でしょう。リリー・フランキーがどこかで「誰もがホイチョイ的なものに憧れつつ、誰もが出来ていなかった」と「私をスキーに連れてって」を紹介していましたが、私もそう思います。

小川洋子の小説を「どの国の言葉に訳しても”ピシーッ”ときまりそうだ」と10冊紹介するは間室道子。作品間のつながりを丁寧に紹介します。そして、すべてを思考の流れで紹介していくのは、図書カード三万円使い放題の堀江敏幸。芥川賞を始め錚々たる文学賞を受賞する早大教授で仏文学者だったのですね、うむむ。非常に真面目な方だということは原稿からも買い物額30689円からも伺えます。逆にそんな方だからこそ、残り4冊に言及がないのは違和感。原稿掲載し忘れてませんか? いい人という意味では石田衣良もすごい。部屋だけ見せてくれというおじさん3人組を快く迎え入れるだけでなく、並んでいる本の秘密や片付けの秘訣まであっさり語るのですから。個人的にはシンポ教授の「本を捨てる = 自分自身を捨てる」というのに共感します。

「今月の一冊」では浜本さんの少女漫画オタクぶりが炸裂。リストの執筆年が違っていて「残念」と言い切る田渕由美子『フランス窓便り』はそんなに大事な作品なのか?
新刊では内田剛が薦める『世界の夢の本屋さん』。夢の様な本屋さんが写真とインタビューで紹介されるそうですが、私はどんな本屋さんでも嬉しくなります。高校まで田舎にいたのが大きいですかね。高校時代は小さな本屋さん3軒(文具屋との兼業も含む)を毎日毎日飽きずに回っていました。公共図書館もしょぼく、古本屋もなく。都会の子供が羨ましいです。
他に『アンダーワールドUSA』『ネザーランド』『約束の方舟』『和子の部屋』

最後に、クロの話しは寂しいですね、言葉もない。

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