本の雑誌2011年9月号 (No.339)

本の雑誌 2011年9月号 (No.339) / 本の雑誌社 / 648円 + 税
表紙デザイン 和田誠 / 表紙イラスト 沢野ひとし

特集は「社史は面白い!」。ビジュアルなものから町の本屋やミニコミ誌の社史まで本の雑誌らしい社史を幅広く取り揃えましたが、やはり冒頭の講談社、文藝春秋、新潮社の社史編集者座談会は読み応えがあります。マンガだと左遷の代名詞みたいな社史編集室ですが、さすがに出版社ともなると王道の感。カラーとか、総重量6KgでDVD付きとか作っていて楽しいでしょうねぇ。関係あるのかP.26に茗渓堂の広告あり。さりげなくて泣かせます。

椎名さんは地球の水を巡る討論会で久しぶりの登場。モノの製造過程の裏に含まれる水の量を意識した「ヴァーチャル・ウォーター」の考え方は面白いですね。内澤旬子の別次元の水の話も笑えますが。同じく名物教授プロフェッサー本川をポップスターと定義したのは渡邊十絲子、さすがです。
高頭佐和子「本屋特集8詩読み比べ」は相手が同業者だからでしょうか切れ味は鈍く、入江敦彦の「失楽園」もテキストがよほどクズなのでしょうねぇ、どうにもこうにもならない感じ。記憶に残ったのが古谷一行の鼻の穴、というのがすべてです。
作家ガイドは西村寿行。ものの見事に絶版、品切れの嵐。10代じゃないけど、ピンと来ませんでした…。ところで、どうして選者が水鏡子なのだろう?

他に『犯罪』『11 eleven』など。大森望は「NOVA」初出を謳いすぎ。気持ちは分からないでもないですが…。

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