かもめのジョナサン 完成版 – どこかで観た寓話

投稿日: カテゴリー

かもめのジョナサン 完成版 / リチャード・バック / 五木寛之 創訳 / ラッセル・マンソン 写真 / 新潮文庫JOnathan Livingston Seagull by Richard Bach 1970, 1998, 2014デザイン: 新潮社装幀室 飛行術を追い求めたカモメのジョナサンは、 … “かもめのジョナサン 完成版 – どこかで観た寓話” の続きを読む

破滅派 18号 – 曾根崎十三「片付けぐらいならできる。」が普通に良い

投稿日: カテゴリー

破滅派 18号 / 1000円 特集は「検閲」。「破滅派検閲こぼれ話」のタイトルを見た時、破滅派も過去に検閲を受けたことがあるのか!?と驚きましたが、「東京オリンピック 2020 新種目。」の表紙のことだと知って、あぁ、知ってたわ。検閲というより著作権違反に対する印刷会社の慎重姿勢ですね。特集名から … “破滅派 18号 – 曾根崎十三「片付けぐらいならできる。」が普通に良い” の続きを読む

屍者の帝国 – 素晴らしい読書体験

投稿日: カテゴリー

屍者の帝国 / 伊藤計劃✕円城塔 / 河出文庫 / 780円+税カバーデザイン: 川名潤(prigraphics) / カバーフォーマット: 佐々木暁 死体に「霊素」を注入した「屍者」の利用が一般化している19世紀後半の英国。ワトソン博士は秘密機関「ウォルシンガム」の一員としてアフガニスタンに派遣さ … “屍者の帝国 – 素晴らしい読書体験” の続きを読む

Sci-Fire 2021 – 高木ケイ「進化し損ねた猿たち」が良かった

投稿日: カテゴリー

Sci-Fire 2021 特集アルコール 1500円責任編集者: 甘木零表紙絵: 仁科星 / レイアウト: 太田知也 キーワード「アルコール」。その一語で、ここまで多様にSFを仕立てた執筆陣に感心します(私は「酩酊」「消毒」以外、浮かびませんでした)。表紙はこれまでのクールなもの(それはそれで良か … “Sci-Fire 2021 – 高木ケイ「進化し損ねた猿たち」が良かった” の続きを読む

伴名練 編『新しい世界を生きるための14のSF』

投稿日: カテゴリー

新しい世界を生きるための14のSF / 伴名練編 / ハヤカワ文庫JA / 1360円+税カバーイラスト: 九島優 / カバーデザイン: 川谷デザイン 新鋭の作品だけを集めたSFアンソロジー。まえがきの「本当はあと200ページ欲しかった」は、お決まりの宣伝文句でなく、真に充実した内容。どの作品も力が … “伴名練 編『新しい世界を生きるための14のSF』” の続きを読む

本の雑誌 2022年9月号 – 本の修理はカラーで見たかったな

投稿日: カテゴリー

本の雑誌 2022年9月号 (No.471) / 本の雑誌社 / 700円 + 税表紙デザイン クラフト・エヴィング商會 [吉田博美・吉田篤弘] / 表紙イラスト 沢野ひとし 特集は「本を直す!」 服部文祥の東日本大震災で書棚から落として背表紙が割れたお宝本の修理から始まり、パラフィンや自作カバーや … “本の雑誌 2022年9月号 – 本の修理はカラーで見たかったな” の続きを読む

ソラリス

投稿日: カテゴリー

ソラリス / スタニスラフ・レム / 沼野充義訳 / ハヤカワ文庫SF / 1000円+税Cover Design: 岩郷重力+N.SSolaris by Stanislaw Lem 1961 海の惑星「ソラリス」の観測ステーションに降り立ったケルヴィンは、先行の3人の研究者のうち、1人が直前に自殺 … “ソラリス” の続きを読む

斧田小夜『ギークに銃はいらない』

投稿日: カテゴリー

ギークに銃はいらない / 斧田小夜 / 破滅派 / 2200円 + 税カバー: 斧田小夜 ギークな少年らが遭遇する事件、入眠装置でも安眠できないトラウマ、突然の父性の喪失と負う役割。SFの仕掛けの上で小さな勇気や勝利や謎が描かれます。 都内の夜明けのシーンと交易びとゲレクタシの言葉が印象的でした。 … “斧田小夜『ギークに銃はいらない』” の続きを読む

サークルクラッシャー麻紀 – クラッシュぶりもいいが、ほかもいい

投稿日: カテゴリー

サークルクラッシャー麻紀 / 佐川恭一 / 破滅派 / 550円カバーイラスト:2017年発行 紙版が出るのを待ってましたが、長編版が『シン・サークルクラッシャー麻紀』として単行本化されたため、主義に反して電子書籍で購入しました。電子版でベストセラーだったのできっと単行本化されると思っていたのですが … “サークルクラッシャー麻紀 – クラッシュぶりもいいが、ほかもいい” の続きを読む

本の雑誌 2022年6月号 – 西村賢太愛を感じた追悼号

投稿日: カテゴリー

本の雑誌 2022年5月号 (No.4676) / 本の雑誌社 / 1000円 + 税表紙デザイン クラフト・エヴィング商會 [吉田博美・吉田篤弘] / 表紙イラスト 沢野ひとし 特集は「結句、西村賢太」 連載「一私小説書きの日乗」は楽しみにしていたものの、芥川賞受賞作『苦役列車』さえ読んだことがな … “本の雑誌 2022年6月号 – 西村賢太愛を感じた追悼号” の続きを読む

80年代音楽解体新書 – 時代の空気感まで伝わりました

投稿日: カテゴリー

80年代音楽解体新書 / スージー鈴木 / 彩流社 / 1600円+税カバーイラスト: 大月明日香 / 装丁: 仁川範子2019年発行 「ザ・カセットテープ・ミュージック」を見ていてこの人だれなんだろう? と思っていたスージー鈴木の80年代ヒット曲の理系的、構造的な音楽評論。 技術的な解説はさっぱり … “80年代音楽解体新書 – 時代の空気感まで伝わりました” の続きを読む

破滅派16号 追悼・山谷感人 – 亡霊のような圧と園田さん

投稿日: カテゴリー

月末の文学フリマで新刊が出る前に片付けようと、ゴールデンウィークの中日に積ん読の「破滅派16号 追悼 山谷感人」を読んでたら、偽物であることにかけては、誰よりも本物だった山谷感人の、亡霊のような圧に疲れました。多くの同人は直接の関係はないはずですが、みんな料理が上手だわ。薄気味悪い写真と真っ赤な表紙 … “破滅派16号 追悼・山谷感人 – 亡霊のような圧と園田さん” の続きを読む

アウレリャーノがやってくる – 破滅派に関わるすべてへの愛の物語

投稿日: カテゴリー

アウレリャーノがやってくる / 高橋文樹 / 破滅派 / 1800円+税装画: 今日マチ子 アウレリャーノがやってくる 美青年アマネヒトは姉の海を頼りに上京し、他人のために詩を語る「代理詩人」を始める。同じ肩書きの人間がいる縁で、同人誌発行団体「破滅派」に加わったアマネヒトは、代表の紙上大兄皇子、そ … “アウレリャーノがやってくる – 破滅派に関わるすべてへの愛の物語” の続きを読む

劉慈欣『三体Ⅱ 黒暗森林』- 面白いけど傑作ではないよ

投稿日: カテゴリー

三体Ⅱ 黒暗森林 / 劉慈欣 / 大森望、立原透耶、上原かおり、泊功訳 / 早川書房 / 上下各1700円+税装画: 富安健一郎 / 装幀: 早川書房デザイン室The Dark Forest by Cixin Liu, 2008 国連は、接近する三体艦隊に対するため面壁計画を立案。羅輯を始めとする4 … “劉慈欣『三体Ⅱ 黒暗森林』- 面白いけど傑作ではないよ” の続きを読む

佐川恭一『舞踏会』 – 「愛の様式」の父親の言葉に泣きます。

投稿日: カテゴリー

舞踏会 / 佐川恭一 / 書肆侃侃房 / 1650円装丁: 藤田瞳 / 装画: William Hogarh / Wikiart.org 愛や死や社会への視線が1行ごとにスライドする思考にみっちり詰まっています。そのダダ漏れの中で笑ったり、共感したり、嫌悪したりしながらの読書には、「破滅派」初登場時 … “佐川恭一『舞踏会』 – 「愛の様式」の父親の言葉に泣きます。” の続きを読む

ダムヤーク

投稿日: カテゴリー

ダムヤーク / 佐川恭一 / RANGAI 文庫 / 1500円+税装画: Kark Wiener / ブックデザイン: 佐藤りえ 佐川恭一の初短編集。ムチャクチャな個人史の中にストレートな「聖人」を配置したのが編集者の狙い。実際新しい彼を見たと思います。 ダンスナイト 開幕早々コロコロ転がる視点と … “ダムヤーク” の続きを読む

顧客はサービスを買っている

投稿日: カテゴリー

顧客はサービスを買っている / 諏訪良武、北城恪太郎 監修 / ダイヤモンド社 / 1600円+税装丁: 布施育哉 勧められて読んだ本。著者のオムロンフィールドエンジニアリング社を企業改革した際のポイントを、「サービスサイエンス」という視点でまとめています。ATM等の保守技術者をコールセンター経由で … “顧客はサービスを買っている” の続きを読む

本の雑誌 2021年3月号 – 連載陣が強いなぁと改めて思いました。

本の雑誌 2021年3月号 (No.453) / 本の雑誌社 / 667円 + 税表紙デザイン クラフト・エヴィング商會 [吉田博美・吉田篤弘] / 表紙イラスト 沢野ひとし 「本棚が見たい」は、先月号の特集広告で、超ベストセラー翻訳家としての登場を予想していた田口俊樹さん。羨ましいお部屋です。 特 … “本の雑誌 2021年3月号 – 連載陣が強いなぁと改めて思いました。” の続きを読む

失われたアレを求めて 破滅派

投稿日: カテゴリー

失われたアレを求めて ポストコロナ文学ニューノーマル選集 / 破滅派編集部 / 破滅新書02 / 1500円+税 文学フリマ東京で購入しました。副題どおり、各自のコロナ禍の解釈と背景への起き方がポイントですが、各自各様で上手いですね。大猫、一希零、諏訪靖彦、牧野楠葉、古戯都十全が良かったです。 斧田 … “失われたアレを求めて 破滅派” の続きを読む