リングワールド – がっかり

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リングワールド / ラリイ・ニーヴン / 小隅黎訳 / ハヤカワ文庫SF / 700円
カバー: 鶴田一郎
The Ringworld by Larry Niven 1970

ルイス・ウーはパペッティア人ネサスの率いる探検隊に、クジン人<獣への話し手>、幸運の血統のティーラ・ブラウンと共に誘われる。パペッティア人の移民船団と落ち合った後で、恒星の周りに築かれたリング状世界「リングワールド」を訪れる。

勝手に小川一水のような土木SFを期待していましたら、実際は『宇宙のランデヴー』などと同じ種類の、品が良いだけで何も起きない未知の世界の探訪記。がっかり。

個々のアイデアはどれもSFならではの壮大な魅力に溢れています。

リングワールドそのものはもちろん、シャドウ・スクエア、神の拳、パペッティア人の工作、ティーラ・ブラウンの幸運の質とその究極の目的、等々と、書いているだけで嬉しくなるくらい。

ただ文章が下手すぎて、さっぱり世界に入り込めません。キャラクター造形は悪くないのですが会話が下手すぎて泣かせも笑いもさせてくれません。地の文章も下手で、情景の断片がブツブツと並んだかのよう。肝心のリングワールドの巨大さも、アーチの壮麗さも、底面の深遠さも感じられません。そして内部の情景や空中に浮かぶ城もピントがズレまくっていて、もっと書き様があるだろうに平板な看板のようです。

時間外世界』も同じ感想でしたから、ニーヴンはダメかも。

 

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