ダムヤーク / 佐川恭一 / RANGAI 文庫 / 1500円+税
装画: Kark Wiener / ブックデザイン: 佐藤りえ
佐川恭一の初短編集。ムチャクチャな個人史の中にストレートな「聖人」を配置したのが編集者の狙い。実際新しい彼を見たと思います。
ダンスナイト
開幕早々コロコロ転がる視点と会話に引き込まれますが、意外やいい話に着地します。
Aの家族のベクトルの違いや、Aの父の釣りへの逃げがいい。
元々のタイトルは「ハートフル純情ピュアラブダンスナイト」だったらしい。それもいいね。
ダムヤーク
草野球が始まるところで大笑い。いいなぁ。
聖人
中尾くんのいじめシーンとぼくの逃げがいかにもで厳しい読書ですが、最後は圧倒的なカタルシス。素直に泣きました。
超速個人史B
親の金をパチンコとキャバ嬢につぎ込み殺し屋になる男の話。
マルドレットの人々
名前はカタカナだけどやってることは他の作品と同様に、誰かにすぐ感化される輩たち。
ライジング・フォース
これも同じ趣向だけど、後半イングヴェイが出たのは良かった。
「イングヴェイ・マルムスティーンズ・ライジング・フォース」ってヘビメタバンドがあるみたい。