アウレリャーノがやってくる –

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アウレリャーノがやってくる / 高橋文樹 / 新潮 2007年11月号所収

第39回新潮新人賞 (小説部門) 受賞作。岩手から姉を頼って上京してきたアマネヒトは人の心の奥底の言葉をその人に代わって読み上げる「代理詩人」を始める。ネットで同じ「代理詩人」がいることを知り、所属先のIT出版社「破滅派」を訪れ、代表の紙上大兄皇子と知り合う。破滅派に入ったアマネヒトは、皇子の恋人である潮と関係を持つ。

自分の言葉を持たなかったアマネヒトが詩を書くラストにストンとはまり妙な感動がありました。きっとこれからも何度も逃げ出すんでしょうけど、それが詩人の特権なんだから仕方ないですよね、「世界はおまえ次第だよ」。なお、アウレリャーノは『百年の孤独』の登場人物から。

「破滅派」のキャラ立ちが素晴らしいし、エピソードも情景も良いです。おしゃべりな文体も選考委員には不評な表現も、彼らの猥雑さを描くにはふさわしい。特にどうにもならない状況を確信的に救う紙上大兄皇子が良い。「破滅派に関わるすべてへの愛を物語った。」「詩精の胎動を眺めていた。」最高です。

これ読んで破滅派創刊号の対談を読むと見方が変わるなぁ…。あと、「オープンソース」と言っているのは高橋文樹でなく貯蓄なんだな、とか。

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