Gene Mapper – full build – 嘘をつかないSFが最後に到達した解に震える

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Gene Mapper – full build – / 藤井太洋 / ハヤカワ文庫 JA / 760円+税
カバーイラスト: Taiyo Fujii & Rey.Hori / カバーデザイン: ハヤカワ・デザイン

2037年、遺伝子組み換え作物を遺伝子操作するジーン・マッパー林田は、完了した案件 <マザー・メコン> において、作物化けが発生したと連絡を受ける。発注元のL&B黒川が、至急対応に当たるよう連絡してくる。

感想

藤井太洋はエンジニア時代にこの小説の元版『Gene Mapper 』 を書いたそうで、IT業界のプロセスや言葉が非常に正確に登場します、正確すぎてちょっと落ち着いては読めないレベルで。

「スタイルシートの編集しかできない私がジーン・マッパーを名乗るのが恥ずかしくなる。」

p.131

これはストーリーの流れや登場人物においても同様です。「Google のキャッシュを載せたタンカーが流れ着いたベトナムで、過去のインターネット遺産を検索するハッカー」などという魅力的な法螺はあっても、「どんなセキュリティも破る天才ハッカー」みたいな間抜けは出てきません。若干、金田はサービス多めですが…。

そんな現実縛りの中でも、クラークのように未知の生物の足跡だけ残して逃げるような終わり方をせず、しっかりエンターテインメントのオチを作ってくれます。もちろん天才ハッカーじゃないですからチュートリアルを始めるところから 徹夜で できるのは Hello World! の改変くらい。そして出来の悪いプログラムが広まるのを防ぐ方法が、オープンソース。読んでいて「おぉぉ!!」となりました。

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