悪の猿 – キャラが薄く、いろいろ中途半端

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悪の猿 / J・D・バーカー / 富永和子訳 / ハーパーBOOKS / 1046円+税
表紙写真: muk woothimanop/Shutterstock.com / ブックデザイン: albireo
The fourth monkey by J.D. Barker 2017

シカゴ市警ポーターは、近親者を誘拐し身体の一部を家族に送りつけ最後に殺害する「四猿殺人鬼」を追っていたが、その人物と思われる男が事故死したことを知らされる。状況から自殺と思われ、一緒に最後の行方不明者の「耳」と日記が見つかる。

リーダビリティは良いものの、完璧な犯罪とか、作為のすぎる日記内のキャラクターとか、薄っぺらい市警サイドの人物描写とか、そのやり取りとかでまったく乗れませんでした。特に人物描写の薄さがひどい。

あと、 暴力描写も、エロ描写も、中途半端。 たとえばエモリーの耳を切り取りながら最後まで生かしておく意味がまったくわからない。もちろん読者のことを考えればそうなるでしょうが、にしてはエモリーの心の声やシーンすべてが無駄だし、なぜこれまでの被害者と扱いが違うのかが分からない。

もう少し面白いと思ったのにな。

タイポ
P.153、P.331、P.475: 75セントの内訳で10セントが不足している。

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