未来のミライ
監督、脚本: 細田守
出演: 上白石萌歌、黒木華、星野源、麻生久美子
TOHOシネマズ渋谷
ストーリー
4歳のくんちゃんは妹のミライちゃんができたことで赤ちゃん返り。顔を真赤にして大泣きしながら地面を這いずり回ります。そんなときに …。
感想
WordCamp EU 行きのエミレーツ航空のアニメが細田守特集でした。そこで再見の「時をかける少女」「サマー・ウォーズ」に加えて、初見で「おおかみこどもの雨と雪」「バケモノの子」を観ましたが、「バケモノの子」に激しく感動。次回作は絶対観ると決めて今回の鑑賞につながりました。ちなみに「おおかみこどもの雨と雪」はよく作ったなと思いますが、前半のドラマが重すぎて花のようには笑えませんでした。
で、本作。「家族愛」なんてけっ(特に邦画の)という人間なんですが、がっつりやられました。素晴らしい。
まず日常が超リアル。子育て世代あるあるのエピソードの連続ですし、ママの辛辣な言葉と表情だったり、愛情だったり、イライラだったりに共感させられます。結局最後までパパは言葉ばかりで無能なところがまたリアルで、台所のシーン、慌てて間違えて別の布巾を取るとこなんて絶対、細田監督の経験だなと思ったりしました。
その上でのくんちゃんの喜怒哀楽はもちろんリアルですし、「冒険」へのつながりも頭の中だけのことかなと思わせる自然さが生まれました。そしてエピソードの配置と見せ方、「冒険」のスピード感(乗り物!!)がとてつもなく素晴らしい。それはシーンの切り換えだったり、個々の絵作りでも同じ。
最後も、「これで終わってしまうの?」という寂しさを、ミライちゃんの明るい未来への言葉でバシッと締めてくれます。
いやー、すごい。いいもの観たわ。あと達郎さんの楽曲があんまり浮いていないのも良いです。
追記
散々の評価とタイトル詐欺、宣伝詐欺というのを見かけたので慌てて公式サイトにアクセスしました。あー、女子高生のミライちゃんが活躍すると思ったのね…。確かにそんな話じゃないですな。
映画館も家族連れでいっぱいでしたが、楽しんだのは連れてきた親御さんじゃないかな。そんな話です。