Software Design 2017年1月号 – 意味のあるシェル芸でした

Software Design 2017年1月号 / 技術評論社 / 1220円+税
ロゴデザイン: デザイン集合ゼブラ+坂井哲也  表紙デザイン: 藤井耕志(Re:D)  表紙写真: Tony Campbell, kai/AdobeStock

特集は「シェル30本ノック」。問題のための問題がほとんどなく(最後の「クワイン」くらい?)、現実に役立つ、仕事を効率化するコマンドの拡張としてのワンライナーが並んでいました。この特集全体を理解して応用することは難しいと思いますが、「ここまで出来るのだ」と最高到達点を知った上で、問題と対峙する姿勢の意識改革としても大きな役目を果たしました。git の CLI なども多数のオプションがワンライナーのために揃えられているようにさえ見えます。

「コロンブス日和」はフラット整理法。階層化では破綻するからと、タグ付けしたフラットな情報を検索で見つける Yahoo! ディレクトリ見出しから Google 1行テキストボックスで検索のような考え方の転換。また「超整理法」の今風な拡張としての番号付けされたクリアファイルをコンピュータ内で索引付けして検索する方法の提案。コンピュータありきのソリューションです。

「機械学習をどう学ぶべきか?」は例題を介して「機械学習」を伝える試み。数学は必須であり、勉強方法も大学初等の数学を学び直せとぶれません。

「エンジニアが採用できない会社と評価されないエンジニア」前編は採用する企業側の話。いい人が来ないと嘆くのでなく、外部から見て分かる人事組織とし、勉強会に参加して会社を売れと、現実的で納得できるアドバイスをします。
本文とは関係ありませんがタイトルは「エンジニアが」でなく「エンジニアを」じゃなのかのな..。それとイラストが本文と微妙に合っていません。田草は汗を拭くほど困っていないし、人事部長も怒ってないよね? 本文を読まずに事前に発注されたのか。

「Ejectコマンドで遊んでみませんか?」ソフトウエアから物理的に操作できるという意味で面白いです。OSC 東京2017秋で見かけたときも「Eject」の一語でよくわかりました。Ejectカー、除夜の鐘という発想も素敵。ちなみに多摩動物公園駅から明星大学に行く途中、道に迷って宮原徹も紹介している中央大学入り口まで歩いたのでした。

「Jamesのセキュリティレッスン」は無線LANの暗号化通信の複合化の話し。「セキュリティの基本定石」はIoT機器を使った DDoS 攻撃に使用された「Mirai」の話し。どちらも仕組みが分かると面白い話し。

「使って考える仮想化技術」は NAT とかブリッジとかルーティングとか動けば適当に済ましている部分の確認。分かりやすい。

「Android で広がるエンジニアの愉しみ」はGoogle と Oracle の訴訟の争点と経緯を丁寧に説明。この分だと Swift もあながち夢物語でないような。

「Sphinx」期待しているのだけど本を書くレベルにはまだまだ苦労も多そう。

「お詫びと訂正」が多すぎて編集者の声欄が小さいのはちょっと悲しい。文字コードは難しいやね。

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