本の雑誌 2014年2月号 (No.368) まぐろ丼早足号

本の雑誌 2014年2月号 (No.368) / 本の雑誌社 / 648円 + 税
表紙デザイン 和田誠 / 表紙イラスト 沢野ひとし

特集は「古本屋で遊ぼう!」。ブックオフのセドリだけで運営している古書店シマブックの方法論とか、学芸大学駅前にこんなに古書店が充実していたのかとか、いろいろと驚きの特集でした。

学芸大学駅前の書店、古書店

  • SUNNY BOY BOOKS : 〒152-0004 東京都目黒区鷹番2−14−15
  • 恭文堂書店 : 〒152-0004 東京都目黒区鷹番3丁目3−19
  • 流浪堂 : 〒152-0004 東京都目黒区鷹番3−6−9
  • ブックオフ学芸大学駅前店 : 〒152-0004 東京都目黒区鷹番2丁目15−12
  • 飯島書店 : 〒152-0004 東京都目黒区鷹番2丁目15−11
  • e-Books : 〒152-0004 東京都目黒区鷹番2丁目5-18

ちなみに、後日(2014年8月)回ってみたのですが、肝心の「SUNNY BOY BOOKS」だけは、間口が小さくて、オシャレすぎて、入れませんでしたよ。なお祐天寺に「赤い鰊」という自分の本棚かと思うようなラインナップの古書店がありましたが閉店してました。残念。

せんべろ古本トリオは、twitterでメンバーをフォローしていると昼間から楽しそうに飲んだり、駅弁食べたりしていて羨ましいことこの上ありません。古本ツアーも楽しそうですね。読者からの質問に対する古書現世の回答は丁寧で明快で人柄が伺えます。「今月書いた人」のコメントも面白いし、持ち込むならこういう店主の店がいいですね。

 

内澤旬子の見立てたタキシードの値段は31万2375円。次元が違いすぎます。だけど、感化されそうな人が感化されたようで > 入江敦彦

椎名誠の紹介する『本当にあった 奇跡のサバイバル60』は、タイトルだけだと胡散臭いですが、ナショナル ジオグラフィック社刊と聞いて興味が湧きました。事実を淡々と積み重ね、腹の底から恐怖を味わせてくれそうです。

矢口誠は『テロリストの回廊』が面白かったとして、北上次郎に謝っていますが、大丈夫。御大もマーク・グリーニーを見つけて慌てて『ライアンの代価』を読み、恐らくはグリーニー担当であろう部分を絶賛しています。私たちは共著者ピーター・テレップの名前を覚えておきましょう。

津田淳子は変態造本として畠山直哉の『BLAST』の特徴を流れるように紹介していき、そのどれもが凄くて、最後にブックデザイン者を紹介して… また、貴方ですか!!

津野海太郎は小笠原豊樹『マヤコフスキー事件』。人は育った時代の文化から逃れられないこと、ある時代を経て振り返って初めて見えてくるものがあること、それに自分自身で決着をつけるということ、が語られます。小笠原豊樹の強い口調と、津野海太郎の淡々とした文体は真逆ですが、どちらも共通した寂しさを感じました。

萩原魚雷は”最終講義本”の紹介。これは面白そうだし実用的。例えば「仕事用のペルソナを持つ」なんていいですね。

「ベストセラーの極意」と題された青山南のエッセイは『守備の極意』販売戦略の話。きっと内容も良いのでしょうが、これだけやるから売れるんだよなぁと思わす徹底ぶり。表紙のデザインが「アマゾンで映える」で決まるのが凄いです。

円城塔は『The Math Book』で年代順に数学的なあれこれ250を記す本、風野春樹は名声ある外科医が、ぼけた果ての悪夢の3年間を描く『崩れゆく帝王の日々』、池澤春菜は『ハローサマー、グッドバイ』と続編『バラークシの記憶』、柳下毅一郎は『極限の表現 死刑囚が描く』。いつもながら濃いです、この4ページ。

森瑤子は『スカーレット』訳出での真摯な態度が好きでしたが、小説は一度も読んだことありませんでした。育ちとか生き方とか、今まさに人気でそうな人なので、きっかけがあれば流行りそう。他に佐久間文子のすべての推薦作、特に『地図と領土』。

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