本の雑誌30号

本の雑誌 (No.30) / 本の雑誌社 / 350円 (ネット古書店で180円) / 1983.4.30
表紙本文カット 沢野ひとし

特に特集と名の付くものはなく、それぞれの筆者が、あまり原稿枚数にこだわらず大量の本を紹介しています。巻頭の必読花本10冊(岩菜うに)に始まり、表形式で紹介されるプロレス本30冊(川俣登)、さすらう本50冊(皆川正夫)、他に風俗系の変痴奇本(長谷川卓也)、絵本(火取有吾)など。この中では「ビニ本大全集」は資料的価値はムチャクチャ高そう。

めったくたリレーガイドでは、意外や一番面白そうなのが渡辺淳一の「ひとひらの雪」。菊池仁の「川端康成を継ぐ現代恋愛小説」もまんざら嘘に聞こえない、綺麗な小説のようですね。他は立花隆「宇宙からの帰還」か。

沢野さんは沢田康彦さんが出さなかった手紙を紹介。オチの奥さんの一言が素晴らしい。しかし「(彼は)ようするに基本的には”女”だったらだれでもいい」と紹介しているけど大丈夫かしらん :-) 目黒さんは創刊初期の配本について。おっと吉田伸子は配本部隊員だったのか。恐怖の法政ダイナマイト・コンビって…。木村さんはフツーのエッセイで楽しい。佐野洋子、群ようこ、<腹立本>は怒り方が当たり前すぎて今一つ。鏡明、青山南、筒井ガンコ堂はいつも通りか、ちょっと親切。
周辺ネタ(?)では都竹さんが75万円のワープロで原稿を作成。しっかり特性をネタにしていて見事。池田あきゆきは平野甲賀の紹介。船崎克彦は青木まり子現象ネタ。時間的にどちらが先なのか。

気が付くのは三角窓口も含め、みんな怒っていること。しかもマッド・アマノが白川さんに、岡庭昇が呉英智に、と敵は明確です(笑)。また一つ一つの文章が長めで、かつ、不思議な形容を多用してあり、これがいわゆる昭和軽薄体なのか。他にも不純異性交遊、ぶりっ子などの有名どころからスクエア(格式ばった?)なんて良く知らない言葉も並びます。あと「いきざま」も…。大量のミニコミ誌の広告も素晴らしい。「イメージフォーラム」は戦メリの写真に「これでもまだ君は大島渚が好きか!?」うわぁ、読みたい!! そうそう新入社員は、気持ちのさっぱりしたいい青年(by椎名さん)こと、浜本茂君だそうな。

atachibana

立花明 - 東京都在住、IT系企業勤務。 WordPress Document Team メンバー。 連絡先はこちら

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です