夜の領域

投稿日: カテゴリー

夜の領域―山本直樹ホラー作品集成 (LEGEND ARCHIVES―COMICS)
夜の領域 – 山本直樹ホラー作品集成 / 山本直樹 / チクマ秀版社 / 1890円 (1800円)
装丁・デザイン : 横山ひろあき

山本直樹の近年の作品はどれもホラー的要素(個人的にはデビュー当初の柔な作品も好きなのですが …)にまみれているので、特に「集成」という感じもせず、普通の不思議な短編集です。

その中で一番分かりやすいのは「夏の思い出」。犯人の語りが圧倒的で、思わずこちらも加害者側の立場になります。セミが鳴きまくる中の妄想やらリポーターの語りやら取調室の暑さやら、本当に犯人と紙一重。ちなみに大久保清がベースです。「眠り姫」がコワイのは、彼氏の池内と、部屋に掃除に来る彼のママの、フツーの押し売り。「BLUE」のヒロインが車中、ボーゼンとしている絵を思い出しました。「BLUE」つながりでは「青空」。「×つのき駅」も併せてどうということのない話。もう少し閉塞感のある「堀田」のような話しのほうが好きですが、この分量じゃ無理かなぁ。ちなみに「×つのき駅」は最初期のパソコンによる描画が試みられていて、ここらは「電脳漫画技研」で述べられています。「君といつまでも」は、オチの心地よさに満足せず、そこから考えていくと色々な繋がりが見えてきそうなのですが、具体的にどうと解釈し切れないのが歯がゆい。たとえば同居人の意味、岸方の生徒の意味とか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です