死の舞踏

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死の舞踏
死の舞踏 / スティーヴン・キング / 安野玲訳 / 福武書店 /
Danse Macabre by Stephen King
装丁 : コガワ・ミチヒロ

ホラー・ヲタの独りよがり与太話を延々と聞かされた感じ。後半のおすすめホラー小説の章で、各作家のコメントが出てきてどうにか形はついたものの、結局、前半のだらだら感を拭い去ることはできませんでした。大体、作者自体がまえがきで「(本書の)読書の途上には、でこぼこもあれば上り下りもあるだろう」なんて言っているくらいですから、推して知るべしですね。

そんな中でおもしろかったところを拾うと、まず他人の悪口 :-)
「コンピュータを色情狂として描く卑猥でばかばかしい「デモン・シード」(滑稽きわまりないアイデアだという意見には一も二もなく賛成だ)」(p.234)。ディーン・クーンツのどこかの本には、クーンツはキングを絶賛しているが、キングはクーンツを無視している云々と解説してありましたが、これだけ見るとボロボロですな。
「ウェス・クレイヴンの映画を一本でも見たことがあるならば、彼のほかの映画は避けるにこしたことはない(と私は思う)」(p.335)。「エルム街の悪夢」が1984年なんで、まぁそんなもんか。
「すくなくともハロルド・ロビンズやシドニー・シェルダンといった三頭船室なみの作家までは落ちないことは確かだ(なにしろこういう作家ときたひには、バランスのとれた散文とアンチョビ&ウンチ・ピザの区別もつかないとくる)」(p.420)。アカデミー出版が聞いたら怒るだろうなぁ。

次に面白そうな考察。デ・パルマ監督の「キャリー」(p.268)。キューブリック監督の「シャイニング」(p.332)。これは伝え聞くほど完全否定しているわけではなく、キューブリックの才能は認めている模様。他でも同様の表現がありました。ただキングの意図したホテル全体の怨念を、意識的にか無意識的にか読み替え、ジャック一人の話にしてしまった点がお気に召さなかったようだ。そしてミステリー・ゾーンの読書好きの銀行マンの話(p369)。ハーラン・エリスンのスター・トレック話(p.553)と「クロウトン」(p560)。クロウトンは堕ろしてトイレに流した赤ん坊が地下下水道で生きている、という話。そこそこの量のエログロホラーに接してて「うーん」となったのは、これと、キングの「呼吸法」くらい。読んでみたいです。

atachibana

立花明 – 東京都在住、IT系企業勤務。
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