本の雑誌4月号 (No.274)

本の雑誌 (2006-4)
本の雑誌 4月号 (No.274) / 本の雑誌社 / 530円 (505円)
表紙デザイン 和田誠 / 表紙イラスト 沢野ひとし

特集は「本棚だけが人生だ!」。私も狭い部屋に多すぎる本を抱える身ゆえ興味深く読みましたが、本棚メインの家を建てた永江朗、牧眞司、ただただうらやまし過ぎ。巻末、杉江さんの並べ替えもうらやまし過ぎ。やはりある程度のスペースはないとなぁ、とダンボールの山を作り続けている身としてはないものねだり。早く北原尚彦のように引っ越したいな、と。

柳沢小実「リトルプレスの楽しみ」を複数の人が取り上げました。さほど内容を知らないくせに勝手にカフェ飯ブームの後のようなものを想像していたので、柴口育子の自己満足系の定義は勝手に納得。
鏡明のロシアSFに対する「でも、なぜ、いつも、そんなことがこの自分たちの祖国で試されなければならないのか! 何度、そんなことが、繰り返されればいいというのか!」に猛烈に感動。
穂村弘の本好きの友人6人で行く京都旅行はうらやましい。ご飯より、もちろん観光より、優先で本屋巡りなんて、夢のよう。
大森望のジーン・ウルフ「デス博士の島その他の物語」も熱い。

さて本誌の最大の話題は、すでにウエちゃんが紹介済みの椎名誠「普通の書評が読みたい」。本の雑誌に「あまりにもクセがありすぎる文章が多く、読んでいられないページにおめにかかる」。
この文章の意味、というか位置づけが私にはまったく理解できません。椎名さんは編集人なのですから、そうした人の文章は掲載しなければいいのではないでしょうか。もしも編集権限がない、浜本が実権を握っている、というなら、何故、浜本さんはこの文章を掲載するのか? 執筆家への警告のつもりでしょうか? 何故、直接言わない? さっぱり分かりません。
一応、書いておくと椎名さんは本の雑誌執筆者だけでなく、他のメディアでの書評家も含めて議論しています。ただこの発言は特定の執筆者に対して向けられたものでしょう。表紙の「人間関係をこじらせて春がきた。」と、椎名さん風のおじさんには何か意味があるのだろうか、とかんぐってしまいました。
さて、クセがありすぎる文章。岩井道、トヨザキ社長、かなざわいっせいでどうでしょうか、みんな私の好きな人ですが(笑)。
ちょっと関係ないけど、私の友人に「本の雑誌」を見せたら「この文章って、もしかして全部、椎名誠が書いてるん? 似てるなぁ」と言われたのも思い出しました。10年以上前の話ですが。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です