本の雑誌 2013年6月号 (No.360) / 本の雑誌社 / 648円 + 税
表紙デザイン 和田誠 / 表紙イラスト 沢野ひとし
今号一番の驚きは津野海太郎の「漢字が書けない」。
「かんたんに書けたはずの漢字が書けなくなっているのだ。」とか「たとえば、こうしたごく当たりまえの文字を日記に書くとしますよ。」と挙げられた字が
辟易、膝、塀、米穀、崑、稲荷、湯麺 …。
書く前に、読めません …。
特集は「追悼文は文学である!」。ツボちゃんが聞き役を務めたインタビューが3本に、寄稿にと大活躍です。もちろん連載の「読書日記」は休みま せん。内容は追悼する側、される側の魅力を素人にも優しく解説、その上で雑誌を語るという素晴らしいもの。「追悼」に流れがちな所をあくまで 「追悼文」というテーマで展開します。素晴らしい。
ところで浜本編集発行人。「泣く泣く省かせてもらった」とか書くくらいなら、自社広告削って掲載すれば いいのに…、ってのは言いすぎでしょうか?
新刊ガイドでは矢口誠の推す『アイス・ハント』と『ジャッキー・コーガン』。『闇の奥へ』も『戦慄のシャドウファイア』も好きな私としては前者も気になりますが、タランティーノのパクリ元という後者もまたそそられます。
新連載は文庫解説を語る倉本かおり。他社の文庫を編集者が熱く語っている、と最初は面白そうだったのに、実は版元を入れ替えた恋文合戦と分かり残念。まぁ、そうでしょうけどねぇ…。