本の雑誌 2013年7月号 (No.361) シラス丼たじろぎ号

本の雑誌 2013年7月号 (No.361) / 本の雑誌社 / 648円 + 税
表紙デザイン 和田誠 / 表紙イラスト 沢野ひとし

 特集は「この人に会いたい!」で、冒頭は浜本編集長のガッツ石松インタビュー。本を通じて何かを得たいという欲求がとても強く、小説は架空のものだからあま り好きでないというガッツ独特の読書観をうまく引き出しています。一方でおかしな方向から振られる質問を的確に返す編集長は、さすがインタビューのプロ。『人生はOK牧場』なんてきっと読みなおしたんでしょうね。
一方キャンドル潤は、バラエティ豊かな人選でのインタビュー。皆楽しそうに語っているのが印象的ですが「好きな人に会っている潤」という趣向だからか地の文が ちょっとうるさいかな。写真のおじさん達がみないい顔をしていますね。他に編集者として亡き尾崎豊に「会う」新井久幸が良かったです。

「キャンプ」は先月号で青山南が詳しく触れているので、古くないよ>鏡明。その青山南は毎度の『オン・ザ・ロード』だけど映画版。映画の良さ、特に語り手サルの描き方に対する賞賛はこちらも嬉しくなる高揚感があります。
入江敦彦のベストセラー温故知新は『ゴクミ語録』と『Santa Fe』。並べるのもすごければ、それを「演じないことで永遠性を獲得した」と結論付けるのもすごいわ。
どこへ行くキムラ弁護士?は、クンダリニー覚醒のため岡山のアイソレーション・タンクに行くまで。この暴走ぶりは何か不思議な感じで、アレフ入信を口走る(結果的には放棄)など、大丈夫か? と心配せずにはいられません。

新刊ガイドは、今号どれも充実していますが、佐久間文子、大森望が推す『幸福の遺伝子』が一つ抜けている感じ。これが「SF」ページでの紹介じゃないんだから、円城塔が「非SF作家のSF」で触れた「非SF作家がそこいらのSF作家よりもよほど面白い「SF」を、当たり前に書いてしまうような時代」はもう来ているのですね。 『シークレット・レース』は何もツール・ド・フランス100周年に起こさなくてもという大事件で、勝つためにはドーピングは当たり前だったというもの。レース映像の見 方が変わりますよね…。

 

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