タフの方舟 1 禍つ星 / ジョージ・R・R・マーティン / 酒井昭伸訳 / 882円 (840円)
タフの方舟 2 天の果実 / ジョージ・R・R・マーティン / 酒井昭伸訳 / 735円 (700円)
カバーイラスト 末弥純 / カバーデザイン ハヤカワ・デザイン
Tuf Voyaging / George R. R. Martin
ほぼ9割方読み終わったときの感想は★★★。タフの回答はあっさりし過ぎる上に、想定の範囲内のため、驚きも感動も今ひとつ。タフが培養を行っている間に依頼人が引き止められる際の描写(例 : P189)を始めとする地の文はしっかりしているし、設定自体も悪くない、猫も活躍する。なのに、うーん、もったいない。
…などと思っていたらラスト「天の果実」は秀逸。予想される解決方法ながら、タフとトリー・ミューンの愛情や葛藤がない交ぜになった緊迫感あふれる会話が物語を一気に引き締めました。直前の「わが名はモーセ」もその効果に一役務めています。甘い気もしますが★★★★かなぁ。って、これでは本の雑誌の大森望と同じではないか…!