本の雑誌 2022年11月号 – 本書片手に散歩したら楽しかった

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本の雑誌 2022年11月号 (No.473) / 本の雑誌社 / 800円 + 税
表紙デザイン クラフト・エヴィング商會 [吉田博美・吉田篤弘] / 表紙イラスト 沢野ひとし

特集は「やっぱり神保町が好き!」で、なにげに特大号。

そこまで常に買いたい本があるわけでなく、また背表紙や店頭本を見てサクッと買うということもないので、神保町行ってもただ歩くだけというのが多い。まぁ、それでも楽しいんですが…。食べるところがそれなりにあるとは知ってたけど、喫茶店もいっぱいあるんですね。

で、10/29(土) 開催の神保町ブックフェスティバル、神田古本祭りに合わせて、本書片手に神保町を散歩しました。
確かにとちの木通りや文化学院跡は良い感じです。大学や予備校の建物もなにげに合っています。ただ、巨大な自販機とか派手な広告は興醒め…。男坂はたいしたことなくてがっかり。カトリック神田教会は手前でハロウィーンの仮装大会をやってて近づけず。お昼はパンチマハルで野菜カレーとブラッシー。とても脅されていたので恐る恐るの入店でしたが店主は至って普通。スープカレーはとても美味しかったです。しかしLevel1 であの辛さか…。土曜で閉まっている店が多いので次回は注意したい。

♪akiraの『ジョン・ウォーターズの地獄のアメリカ横断ヒッチハイク』は気持ちよく笑えそうな作品。自分では買わないけど他人には勧めたくなる。
山岸真はジュディス・メリル編『SFベスト・オブ・ザ・ベスト』の復刊を !! と紹介。昔、高校の図書館で借りて読んだが、さほど面白いと思わなかった記憶だけ残ってます。実際はどうだったのか、今読んだら変わるのか。ハインライン『明日をこえて』は、今まで訳出されなかった程度の作品、とは思うが買う。
田中香織のおすすめはトマトスープ『天幕のジャードゥーガール』。SNSでも流れてきた作品。絵柄がな…。
下井草秀の紹介する「ムービー・マガジン」は、学生時代ギリギリ間に合っていたと思うのだが記憶になし。

新刊紹介では古山裕樹の推す『豪球復活』。記憶喪失の天才投手と過去の殺人という内容で、どうやて冒頭に向かって遡行する驚きがあるのか、まったくもって予想できない。北上次郎も別方面から(?)絶賛か。ふーん。そして『君のクイズ』。早押しクイズの最後の問題。問題がまだ一文字も読まれていないのに回答できたのは何故か。そこにどんな屁理屈が付けられるの!? と驚く。ほんと最近のミステリは凄いやね。
藤ふくろうの海外小説では、韓国が2本、台湾が1本と元気。辛い小説、大甘小説は苦手なので、この中なら『向日性植物』かな。
すずきたけしと風野春樹が紹介するのが『キツネ潰し 誰も覚えていない、奇妙で残酷で間抜けなスポーツ』と副題どおりの本。イラストがあるなら面白そうだ。そしてすすきが目新しさがないとしながら紹介しているのがユリイカの「特集 Jホラーの現在」。低予算の中の工夫としか思えないなぁ。

服部文祥は『直立二足歩行の人類史』を紹介。ずっと面白いがラストを読んで副題の「歩いてヒトは人に変わった」がいいなぁ。「フィクションでは許されないネタバレが、サイエンスフィクションなら許される」法則はうーん、苦しくないかい?

V林田は『鉄道のドイツ史』の紹介。「ドイツの鉄道史」ではない、という振りから一気に近現代史の勉強。へぇ…の連続。著者鴋澤歩の他の書籍も丁寧に紹介。

石川春菜の同人誌紹介では『例の看板 フォトグラフ・コレクション <令和版>』。長岡近郊の松田ペットという店の看板を巡る考察。読んでるだけでオタクの愛が溢れ出る内容で、しかもそれに応える親子2代の看板描き。面白すぎるでしょう。

円城塔は機械学習入門本として『実践GAN』。彼がこうまで明確にオススメするんだから読んでみるかな。TensorFlow が1だよ、とかさらりと注意点もあり。しかしこの程度が本質じゃないのは事実。
べつやくれいは『ゴキブリ研究はじめました』。タイトルと表紙でもうぐったりだが、中ではゴキブリを食べ、しかもゴキブリアレルギーが出るらしい。強すぎる。高橋文樹の「おいしいゴキブリの食べ方」(「Sci-Fire 2018」所収)を読んだときはまったくの冗談と思ってたのに…。食えるのか!?

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