本の雑誌2016年4月号 – 西村賢太の連載が良い

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本の雑誌 2016年4月号 (No.394) / 本の雑誌社 / 667円 + 税
表紙デザイン 和田誠 / 表紙イラスト 沢野ひとし

冒頭のタロー書房のカーブした本棚、かっこいいですねぇ。近くに行ったら覗いてみたい! と思いました。松村幹彦のパラフィンがかかった安部公房の文庫も愛情が感じられていいです。

特集は「出版社を作ろう!」33ページの特集ですがちっとも飽きさせない内容でした。まずは冒頭、与那国島の出版社「カディブックス」訪問記事のワクワクした感じから良かった。内容の成功体験も嬉しくなります。続いて鈴木茂(音楽出版でこの名前はずるい)のアルテスパブリッシングの詳細な立ち上げコストの話し、そして座談会等々。悪者扱いされている取次の方が、理想の出版社として「継続」「資金力」「企画力」「営業」とまさにその点を求めているあたりの正直さに笑いました。また「出版社最初の一冊」は好企画。各社楽しそうに返信しているところが良かったです。

西村賢太の連載は期待に違わない出来でいよいよ次号は藤澤清造の直筆手紙を入手する話し。勝手に盛り上がっています。内澤旬子の、カメラマン森さんのスーツ選びもいよいよクライマックス? こちらもぜひ写真付きで見たいものです。

柚木麻子の3万円本購入に含まれる『べつの言葉で』。複数の書評を読んでいて私も気になってきました。メモしておきます。穂村弘「必読センサー」は、何故か未読本に立つ「必読」フラグのこと。読んでいないのに何となく内容が分かってしまっている点も含めて、分かります、分かりますと何度もうなずきました。私の場合、映画なら「マトリックス」、漫画なら「スラムダンク」(途中までは読んで、あまりの面白さに圧倒された) ですね。

平松洋子は人形町のきしめん屋さんを紹介。相変わらず美味しそうに描くよなぁ。ここも近くに行ったら是非行ってみよう。きしめん 380円が基本だろうけど、「なかなかきびしいのよ。」とまで言われると、かきあげきし 450円 + 何かかな。堀井慶一郎は新潮文庫のサガンで遊ぶ、毎度のふざけたネタ。…のはずが、今回はどこか妙にツボでした。彼のペースに慣れてしまったのだろうか…。

新刊では砂田麻美より本城雅人『ミッドナイトジャーナル』の方を面白そうに感じました。

次号の特集は「週刊誌の時代」。なんてタイムリーな。通り一遍でない、「本の雑誌」だからこその内容に期待です。ずっと週刊誌が面白いと言い続けていた、ツボちゃんの記事も希望。

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