ビブリア古書堂の事件手帖(3) -栞子さんと消えない絆-

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ビブリア古書堂の事件手帖(3) -栞子さんと消えない絆- / 三上延 / メディアワークス文庫 / 550円+税
イラスト: 越島はぐ / デザイン: 荻窪裕司

『たんぽぽ娘』市場で競り負けた絶版文庫の束から『たんぽぽ娘』だけが抜き取られ、栞子さんが犯人と疑われる。

犯人の隠し方が巧いです。単に隠すだけなら簡単でしょうが、ある程度知識がある人には見抜けるあたり、それも本に絡めて、という部分が特に。ちなみにこの出版の後、続けてヤングは発売されます。偶然重なっただけとの声も聞こえましたが本作によって出版を急いだのは間違いないでしょう。

辻堂でミステリとSF専門のヒトリ書房を経営しているヒトリさん登場。栞子さんの母、智恵子さんと仲が悪かった(今思ったけど智恵子は『智恵子抄』なんだろうな)。さらりとレジにいた中年の女性が紹介されます。意外と考えているものなんですね。そして、港南台滝野ブックスの息子の滝野蓮杖も。妹リュウちゃんが栞子さんと同窓。

『タヌキとワニと犬が出てくる、絵本みたいなの』『論理学入門』の坂口昌志と坂口しのぶの話。しのぶが昔読んだ絵本を思い出したいという話と、昌志の犯罪歴を責める、しのぶの母親。

ストーリーや事件はシンプル。栞子さんがなぜすぐに書名に思い至らなかった理由が明かされないのはなぜ?

『春と修羅』宮沢賢治の初版本を巡る遺産相続の話。主人公は智恵子の同窓、玉岡聡子。聡子の父は、大輔の祖母が購入した漱石全集の持ち主であり、智恵子の肖像画を描いた人物。

こちらも仕掛けとしてはシンプルですが、2冊ある『春と修羅』の珍しさがポイント。ここでもさらりと書き込みのある汚れた本が示されます。ところで読みなおして気が付きましたが聡子の父は後の作品で絡みそうですね。肖像画のエピソードもあと一捻りありそうです、特に書いた経緯やもう一枚の紫陽花の絵など。

 

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