トータル・リコール – ディック短篇傑作選

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トータル・リコール – ディック短篇傑作選 / フィリップ・K・ディック / 大森望編 / ハヤカワ文庫SF / 940円+税
カバーデザイン: 土井宏明(ポジトロン)
We can remember it for you wholesale and other stories by Philip K. Dick

冷戦時代の見えない脅威や疑心暗鬼に満ちた背景、大きな肩書きの人物が登場する割に狭く小さな舞台、そして、現代となっては恥ずかしいくらいのキッチリしたオチ。

どこを取っても「ディック印」でいっぱいの短編集でとても良いです。学生の頃初めて読んで、すべてを 8mm で映画化したいと思った『地図にない町』を思い出します。

本書でトップ3の作品を挙げるとすると何でしょう。それまでの観察と経験をぐらっとひっくり返す「訪問者」や、一瞬の出来事に一瞬で型が付いてしまう「フード・メーカー」、そして「非0」あたりですかね。

「出口はどこかへの入り口」「地球防衛軍」「世界をわが手に」は舞台設定のアイデアだけで終わった感じ。しかも残念なことに古い。

逆によく出来ている「トータル・リコール」や「マイノリティ・レポート」は確かに名作ですが、もう何度も読まされ、そろそろいいかな、と。

「ミスター・スペースシップ」「吊されたよそ者」はまぁ、こんなもの。手付かずで残されていただけのことはあります。

 

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