冷たい銃声 – ホークが主役だがスペンサーもしっかり絡む

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冷たい銃声 / ロバート・B・パーカー / 菊池光訳 / ハヤカワ文庫HM / 840円+税
カバーデザイン : 戸倉 巌(トサカデザイン)
Cold Service by Robert B. Parker (2005)

賭け屋の護衛をしていたホークがウクライナ人ギャングに撃たれる。トニー・マーカスがボストンの黒人街を収めている中の事件で、マーシュポート市長ブーツ・ポドラックとのつながりが浮かぶ。

いきなりホークの入院シーンから始まり緊張感の高いまま物語は進みます。季節の移り変わりと共に徐々に回復していき、もちろんお約束どおり復讐が始まりますが、ホークが主役の話でありながら決してスペンサーを脇には回さないここらへんの二人のバランスの描き方は非常に巧いです。今回はそこにセシルを絡め、ホークの超人ぶりを強調しますが、スーザン大好きのパーカーは、ここでもやり過ぎてしまい彼女にいいとこ取りを許してしまいます。この癖さえなければいいのに、きっと最後まで治らなかったのでしょうね。

話は一見複雑に見えながら、背景には「俺でもこれくらいの仕事はできる」という見栄の張り合いからの抗争劇でさもありなん。解決策は商売ごとなくしてしまうスマートなやり口で感心しました。

 

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