本の雑誌 2015年2月号 – ホドロフスキーの「DUNE」見たい!

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本の雑誌 2015年2月号 (No.380) / 本の雑誌社 / 667円 + 税
表紙デザイン 和田誠 / 表紙イラスト 沢野ひとし

特集は「カラーブックスが好きだ!」。なんとなーく、本や店頭にあったクルクル回るスタンドの、あれがカラーブックスだったのかなぁ…ってくらいで、特に思い入れはありません。『すすきののママ101人』ってそんなにときめきますか?

一番興味をもったのはめったくたガイドでオリーブ文化をいい感じで絡めてきた堀部篤史が勤める恵文社一乗寺店。新刊書店なのに古本を置いているというお店。しっかり売れ筋を把握し、お客様を観察し、正しく商売していて理想的です。京都にある有名書店のようですので是非、行ってみたいですね。

行ってみたいといえば冒頭の中村橋書店と喜国雅彦の本棚。ほんと眺めているだけど、ニコニコしてしまいます。「50歳を機に蔵書のスリム化を決意」って、喜国雅彦に何があったんでしょうか。気になるけど、単純に羨ましいです。関連するのかもしれませんが、次号は「本を処分する100の方法!」だそうです。無茶苦茶ドキドキしますね。

ちなみに巻頭カラーのためか、定価は20円上がったようです。仕方ないか…。けど見出しが「2月の書店」でなく「月の書店」としか読めないので、少しデザインを見なおして欲しいです。

日下潤一は版面をボロクソけなしていて小気味いい。しかも言っているとおりなのがページで確認できて、実際ひどく見えるのですが、反論はくるのでしょうか? 途中書いてあるけど「一体感」じゃないのかなぁ…。確信犯でしょう。

「ホドロフスキーのDUNE」は、ここで一度集結したスタッフが「エイリアン」を作ったくらいの知識でしたが、吉野朔実の人物紹介を見ていたら、これはこれでありだったなぁ、と。ホドロフスキーがストーリーを追いかけたとはあんまり思えないけど…。どうだろう。ちなみにリンチの「砂の惑星」はハルコネンの気色悪さとか、カイル・マクラクランの高貴なイメージとか大好きなので、残念な砂上戦や砂虫だけ現代の技術でやり直して欲しいと思います。そしたら傑作になるはず!

最近新刊めったくたガイドがコンスタントに面白いです。それだけ良い新刊が毎月毎月出ているということか、書評家の方々が冴えているということか。酒井貞道は骨太なミステリーの連続、倉本さおりはメタフィクションの連続で、まだこんな趣向が残っているのかと毎回驚きます。円堂都司昭は大森望かと思うようなミステリーで、これは先月号の「SFの日常化」ですね。

江弘毅は驚きの連載「この大阪弁小説がすごい!」。関西圏に住んだことはなく、大阪弁と言えばテレビの芸人のそれくらいしか知らない人間でも、大阪弁のもつ温かみとか表情とか深みとかよく分かります。逆にそんな中に岩下志麻の中途半端な台詞を置けば…、そりゃ白けますわね。

津野海太郎は連載終了。いやぁ、途中、死ななくてよかったですね、ほんと。自分の連載を読み返してみて羊頭狗肉とか力が入っているとかの気づきが可愛いし。また10年後、是非、連載していただきたい。

鏡明は「インターステラー」評。「やっと映画も他の銀河に到達したんだなぁ。」うん、この映画を表すいい言葉です。そう思います。

青山南の電子書籍に対するコメントは100%同意。表紙をつけろ(それでも「紙の本を読みなよ」とは言いたいのも同意)、他人の感想なんか要らん。その通り!!

入江敦彦はベストセラー獄中記を3冊。ホリエモンのがつまんなく、『刑務所の中』が傑作、なのは予想の範囲内ですが、『塀の中の懲りない面々』を絶賛というのは意外。しかも確かに引用の野球評の視点がいいわけで、へぇ。見た目で嫌っちゃいかんな。

開高健は『あなたに似た人』を紹介するエピソードがグッと来ました。
堀井慶一郎の文庫本は何冊積んだら倒れるかは、つまんなくて腹がたちます。

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