収容所から出された男

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収容所から出された男 / ブライアン・フリーマントル / 飯島宏訳 / 新潮文庫 / 520円
カバー 辰巳四郎
Face Me When You Walk Away by Brian Freemantle, 1974

ソビエト文化省の命を受けてヨーゼフは、優秀な新人作家ニコライにノーベル賞を取らせること、そして記念講演ツアーに同行することを依頼される。精神的に落ち着かないニコライは、ヨーゼフの妻パメラや、カメラマンのエンデルマンらと関係を結びながら薬物中毒になり、ヨーゼフはその全責任を負わされることになる。

すっかりやられました。
全体の鬱々とした描写や、最後の尋問シーンなど毎度のフリーマントルで楽しく読みましたが、さすがに1974年という時代背景に古ぼけたものを感じていました。それはたとえば同性愛や妻の浮気をストーリー絡めるやり方や、証拠を収めた「モノ」等で、これで気を引くのは難しいだろう…と思った矢先の、展開に呆然。そう来たましたか…。同性愛を古ぼけたものと軽く読み飛ばしていた私自身、反省です。

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