彼女を守る51の方法 (5) / 古屋兎丸 / 新潮社 / 530円 (505円)
デザイン・装丁 chutte
そして渋谷に暴動発生。ゾンビと化す男達と、マルキュービルに立てこもる女達。中ではなな子らが産気付いた久美子を連れ、出産、そして脱出。21世紀箱舟学会からようやく目覚めたジンは、再びなな子の元に駆けつけ、行動を共にする。暴動は鎮圧され、復興へと動き始める新宿、5年後の東京。
圧倒的な暴動を真正面から描ききったのはさすが。全体にざらっとした感じですが、これは、原稿に通常のケント紙でなく画用紙を使った効果か。男の欲望とか混乱とか意図した通りに出ていると思います。
そこを突破する側も要所要所に仕掛けられた伏線が効いていて素直に盛り上がりながら読めました。「希望の寓話」なのかもしれませんが、やはり温かいストーリーに触れたい。そうした意味でラストに祭りと、平和を持ってきたのはよかったと思います。
しかしまぁ、読み進むのがキツイハードな漫画でしたね。最終話のような大人の恋愛も読んでみたいところですが、しばらくは「少年十字軍」になりそう。そちらはそちらで楽しみですが。