笑う運転手

笑う運転手 (ウエちゃんのナニワタクシー日記)
笑う運転手 / 植上由雄 / 本の雑誌社 / 1680円 (1600円)
装丁 呉 幸子 / カバー・表紙イラスト 沢野ひとし

著者は「本の雑誌」の投稿欄で有名なタクシー運転手。副題の「ウエちゃんのナニワタクシー日記」が示すとおり大阪を舞台に、運転手側の視点でいろんな与太話が語られる中、ご当地ネタや泣かせる話が散りばめられます。

意外とうまいのが泣かせで、たとえば映画「泣きながら笑う日」の簡単な説明。これだけでも猛烈に見たい気持ちを起こします。感情を揺り動かすという意味でオムライスしかり、カメちゃんの話ししかり、耳の聞こえない子供の話ししかり。うまいです。
逆に笑いの部分は今ひとつ切れが悪く、これは元々連載がWeb版の本の雑誌で、読みやすさ重視のエッセイだったためかと思われます。もう少しゆったりと書いてもらってもよかったのではないか、と。大阪の小ネタも素材そのまま感が強く、非常にもったいない。

人情話でもやれば重松清を狙えると思うのだが、どうか。それは言い過ぎ? ほら、私はまだ一冊も重松清呼んだことないから(爆)

そうそう投稿だけでは分からない意外な側面が分かったのは拾い物。格安航空券のくだりや団地在住芸人寄席の話しなど、アイデア力、行動力に相当優れた人のようですね。ところでどうしても理屈が分からないのが、P.128の格安航空券入手元のくだり。団体航空券の売れ残りを仕入れるようだが、どうやって一般人のウチナーンチュから入手するの? 売り捌く相手としてなら分かるんだけど …?

あと正直、これで1600円はないよなぁ。文庫化を待つか、図書館に行くか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です