ハイダウェイ

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ハイダウェイ / ディーン・R・クーンツ / 松本剛史訳 / 700円 (680円)
装画 : 藤田新策 / デザイン : 坂田政則
Hideaway / Dean R. Koontz

緊急蘇生チームにより事故から生き返ったハッチは、蘇生後、異常者ヴァサゴと不定期に同一化する。同時にヴァサゴもまたハッチと同一化、次第にハッチの妻リンジーや養女レジーナを攻撃の対象とする。ヴァサゴはレジーナを誘拐、隠れ家(Hideaway)の閉鎖された遊園地内の、死体コレクションに加えようとする所でハッチに殺される。

大した話しはありませんが毎度の大袈裟な形容詞や比喩の山と、ひねった展開で意外に読ませてくれます。事故後すぐの「ナイバーンが欲しいのはポプシクルじゃない(p.48)」で、またアヤシー研究機関かと思いきや、すぐに真面目な治療に突入。と、直後にヴァサゴの描写で、どうやらこちらがメインの「クーンツ」ネタだと分かる按配。その後もあまりに引っ張って事件を分かってないのは主人公、またはその取り巻き連中だけ、という欲求不満のたまる状況を排除しながらテンポよくストーリーを進めます。

ただし最後にひねりがなく、あまりにストレート過ぎて物足りない後味。ハッチの怒りがそのままヴァサゴに伝わって人を殺す、という魅力的なアイデアも、もう少し葛藤するなり、広げるなりの展開があってよかったのではないか。蛇足だが、レジーナのくだらない一人語りには閉口。これをクーンツは面白いと思っているのか?

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