江口寿史 JUMP WORKS (1) ストップ!! ひばりくん!

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江口寿史JUMP WORKS (1)
江口寿史 JUMP WORKS (1) ストップ!! ひばりくん! / 集英社インターナショナル / 1890円 (1800円)
デザイン(装丁) : 青木澄江

残念ながらタイトルから喚起されるほどジャンプ時代のアイテムを取り揃えたわけでなく、メインはあくまで漫画。なので最初はちぇっ、と思ったのですがページを開けば一気読み。止めるに止められず結局、朝になってしまいました。素晴らしい。本気で笑えました。P118の口紅を塗ってウィンクするひばりくんはかわいいし、P246かけおちの顛末もうまいし。
いやはやこれを週刊で連載し、かつわずか数年でその才能食いつぶしたんだから、凄まじい時代です。
インタビューやイラスト、コメント、そして何より21世紀のひばりくん(右のカバー写真参照)も◎です。

本文とは全く関係ないですがコラムに「Back to 80’s」として当時の芸能人やアイテムの紹介があります。1980年度に中学に入学し、1989年度に大学を卒業するという、まさに80年代を「生きて」過ごした私にとって何とも感慨深いタイトル、内容のコラムでした。
まぁ、個人的には高校を卒業する1986年3月で、80年代は終わったと思っていますがね。それは松田聖子が「ボーイの季節」を最後に結婚、引退した時期であり、同様のタイトルで話題になった「BOYのテーマ」の菊池桃子と、岡田有希子が人気を二分した時期。直後の同年4月に岡田有希子は自殺し、Winkという例外はあるものの実質的に80年代アイドル文化が終了した時期。以後はバンドブームへと変わるその予兆がTMネットワークやBOφWYに現れた時期。大好きだったユーミンが恋愛の神様になって私から離れていこうとしている時期。アニメの「うる星やつら」が終了した時期。etc. etc。これらが田舎から出てきて、都会(と言っても福岡だけど)で一人暮らしを始めた心境の変化とシンクロしていて、不思議な感じがします。

さて、以降は編集サイドへの文句! 文句! 文句!

まずこの本のターゲット読者層がまったく不明。幼稚でベタベタな登場人物紹介やファッション紹介と、江口寿史インタビューとでは、小学生と大人を一緒に扱っているようでまったくチグハグ、かつ不愉快。掲載された漫画も連載時の時系列をぐちゃぐちゃにしてくだらないテーマで分けたものだから、これもチグハグで、フラストの極み。冒頭にも書いたようにタイトルの「WORKS」の割にジャンプ時代のアイテムが少なく、期待はずれの感、大。

漫画を再認識させられたのであまり強く言えないのだけど、ここはやはり週刊誌サイズの本にして漫画はカット。で、表紙やグラビアを掲載時と同じサイズ、カラーで再現し、江口さんのコメントを付加する。それでページが不足するというなら、現状のパイレーツ、ひのまる劇場を含めた4冊構成をまとめればいい。と思うのですがいかがか。

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