本の雑誌 10月号 (No.280) / 本の雑誌社 / 530円 (505円)
表紙デザイン 和田誠 / 表紙イラスト 沢野ひとし
特集は「活字の人体実験!」助っ人3人が、それぞれ岩波本、ハヤカワ文庫SF、少女漫画を読み続けたら肉体的な変化があるか、というもの。正直企画倒れもいい所で、全編お茶らけた解説にどこで笑えばいいのか途方に暮れました。岩波本担当鉄平君の丁寧な読み込みは評価しますけど。
穂村弘の「共感と脅威」。現代の読者は共感(シンパシー)を求める傾向が強いが、詩歌は「脅威(ワンダー)」との親和性が高い。なので読まれない。若者は「共感」より「脅威」 を好むと思われるが、路上で安っぽい文章を並べて売っているのを見ると…。あの若者を見るたびに感じる違和感はこれだったのか、と納得。
トヨザキ社長の紹介する「秋の四重奏」。ムチャクチャ読みたくなりますね。
今月の浅沼茂によると、今年のノーベル賞の有力候補に村上春樹が挙がっているとか。弱ったな。世界中で理解され、評価されているのに、どうにも「共感」も「脅威」も感じない。「ノルウェイの森」しか読んでないけど…。うーむ。。
柳下毅一郎の紹介する檳榔少女写真集。どうしようもなくうらぶれた雰囲気。試してみたいです。
あとがきによれば講談社は入社2年目で年収一千万円超とか。
他でおもしろそうなのが「ワーズ・ワード 絵でひく英和大図鑑」、「一瞬の風になれ(1)イチニツイテ」佐藤多佳子、「奇跡の自転車」ロク・マクラーティ、「シャルビューク夫人の肖像」ジェフリー・フォード、「イリアム」ダン・シモンズ