反撃の海峡 / ジャック・ヒギンズ / 後藤安彦訳 / ハヤカワ文庫NV / 680円 税込
カバー 生頼範義
Cold Harbour by Jack Higgins, 1990
ジュヌヴィエーヴは英国特殊作戦部の命令により、双子の姉アンヌ-マリーの身代わりとしてドイツの支配するフランスに侵入し、ロンメル元帥の計画を盗み出すよう依頼される。
ヒギンズ十八番の、素人を超極秘作戦に放り込んでおいて実は…という展開。男も女も実に魅力的で、ストーリーも決して連合軍が打ち負かされることはなく安心して読めるわけですが「いつかどこかで読んだ」感は拭い去れず、単なる読み物で終わってしまいました。
唯一、オルタンスの設定は素晴らしい。最初に軽々と姪ジュヌヴィエーヴの正体を見破ってからは主役級の演技で、最後のシーンまでいい場面を持って行きました。