本の雑誌 2013年9月号 (No.363) / 本の雑誌社 / 648円 + 税
表紙デザイン 和田誠 / 表紙イラスト 沢野ひとし
特集は「いま校正・校閲はどうなっておるのか!」。校正というのは、原稿を一字一句違わずに、ありのままの形で再現し、ただしく印刷することのお手伝い、というイメージがあったのですが、事実関係のチェックや語のユレなどのチェックもするのですね。後者は「編集者」という人の仕事だと思っていました。実際、その場合も多いようですが、校正者頼みってところもあるようです。
と、特集を読んで大体のイメージはつかめたものの、どうも、ぼんやり。
そこへ青山南のエッセイを読んで初めてピントが合いました。ツボちゃんの ケースのように明らかな事実誤認と違い、表現に絡んだ部分で、白黒はっきりさせてよ、と言われると厳しいですよね。で、そうした間違いに気付くのが仕事と 言うんだから大変です。
内澤旬子は番外編。そう、この宮田珠己に服を選ぶ話しは、△窓口の読者さんと同じく私も面白く読んだんですよね、楽しそうって。そして内澤さんの服を見る目に対する自信が羨ましいのも同じです。しばらく続けて欲しいです。
古幡瑞穂は部活小説を各部ごとに紹介。どれもがストレートな直球勝負で(例えば、バスケ部なら『スラムダンク』だ) 筆者の部活への熱いエールを感じます。「本の雑誌」よりも学校図書館の前の案内が似合いそうなエッセイです。
入江敦彦は松本人志の『遺書』を「限りなく透明に近いベストセラー」と紹介。わぁ、もうこれだけで完璧だわ。250万部だからね、当時。
他に『古きものたちの墓 クトゥルフ神話への招待』の森瀬繚の解説と『世界の果ての庭』の円城塔の解説、『トンデモニセ天皇の世界』などなのですが、実は一番ドキドキしたのは次号の特集「サンリオSF文庫の伝説」。