本の雑誌 2013年11月号 (No.365) / 本の雑誌社 / 762円 + 税
表紙デザイン 和田誠 / 表紙イラスト 沢野ひとし
特集は「帰ってきたぞ、神保町!」、再度の神保町特集。出版社訪問もよい記事ですが、ナイトクルーズや食べ物屋はどこも美味しそうで、たまに古書店巡りで途方に暮れ手近な店で済ます人間にはありがたい。同様に地図だけ見て遠出してみても入りづらさにすごすご引き返す二階以上の古本屋ガイドも助かります。編集部や周囲の人たちがとても楽しんで作った感じが、先月号のサンリオ特集に似ていますね。また読者の薦める地方の古書店はどれも愛があって良いです。大阪出張の際には是非「天牛」に行ってみたい!
穂村弘は「本の感想」。年をとる毎に曖昧な感想が増えるのは、感受性の変質だと私も思います。読めてなかった事実に気がついたり、作者の優しさや揺らぎを読めたりetc.と読書の質も、その傾向も変わりますからね。
津野海太郎の文章で青空文庫の創始者、富田倫生が亡くなったことを知りました。富田さんの名前はこの文章に触れるまで知りませんでしたし、そもそも青空文庫の始まり自体意識したこともありませんでした。現在の電子書籍コンテンツの文芸部門をほぼ支えるほどの功績なのに…。ご冥福をお祈りします。
内澤旬子は宮田珠己の服装をボロクソにけなすんだけど、写真を見ても私はうーん。言われることは分かるけど、ここまで酷評されるんだ…。恥ずかしくて彼女の前には出られませんね。で、ページをめくると確かにかっちりした准教授みたいな人が。でも、文体と合ってないかっこ良さ。うーん。ちなみにweb本の雑誌に色付きのアフターはありますが、ビフォアーがありません。載せてー
http://www.webdoku.jp/honshi/images/201311after.jpg
『ハロルド・フライの思いもよらない巡礼の旅』北上次郎の文章を読んでもピンと来ませんでしたが、青山南の文章を読んだら俄然興味。他には佐久間文子のすべての本。最後の『盆栽/木々の私生活』はトヨザキ社長もお奨めです。