本の雑誌 2014年1月号 (No.367) / 本の雑誌社 / 762円 + 税
表紙デザイン 和田誠 / 表紙イラスト 沢野ひとし
特集は恒例「本の雑誌が選ぶ2013年度ベスト10」。
1位が『なぎさ』、2位が『古本の時間』。確かにどちらも面白そうですが、私は発行人の強い意志により『島はぼくらと』が来るものだと思っていました。ちなみに『なぎさ』は佐野元春ファンは必読とか。うーん、気になるな。あとマンガですが『バーナード嬢曰く。』も。これ岸本佐知子も挙げてます。
なおSF的には、2013年は野崎まど『know』の年だったようで、鏡明がベスト10に入れないけど、エッセイでは大きく扱い、若島正が1位。これは読みます。
内澤旬子は阪急メンズ東京のダンヒルに高野秀行を連れて行き、タキシードを着せて、ピンを打ったら似合ってた、って所で、待て次号。うわー寸止めじゃん。ちなみに店員はプロなので、スーツの具合を見るために注視すれば立ち直してくれるとか、いろいろ知らないことがあるなぁ。
水鏡子はハヤカワSFシリーズの古書価凋落。私も銀背に何の興味も感慨もない一方で、ハヤカワSF文庫の青いのにはドキドキしますから、これは分かります。
ツボちゃんはトヨザキ社長がサンリオ文庫の特集でコメントを求められなかったと文句を言っている事に対し、俺はアンケートハガキに切って貼って出したよと返信。三角窓口等を含めツボちゃんがハガキを書いているのは有名(?)ですし、サンリオ文庫特集もそのような扱いだったので、トヨザキ社長がツボちゃんを名指してコメントしている、というのはツボちゃんの誤解と思いますが、それにしてもアンケートハガキを出せよという指摘は正しいと思います。
入江敦彦の『負け犬の遠吠え』の紹介にはびっくり。私もマスコミ同様のカテゴライズで読まずに終わっていたのですが、マイノリティの現実と許容、変遷と未来、抑圧からの解放、イデオロギー不在の時代を描いていると。やはり本や映画は読んでなんぼですね。ところで落合恵子は、れもんちゃんと言われても何のことかさっぱり。アイドル? DJ? へぇ。
円城塔が紹介する『機械より人間らしくなれるか?』では、人間と機械を区別するチューリングテストを、人間が受けてみるという爆笑(?)ものの話。「ブレードランナー」のフォークト=カンプフテストを受けて、追い掛け回される図が浮かびます。
気になったのが風間賢二の「ゼロ年代はイマイチだったキング」という文章。私はすべてのキング本を買いつつ年代順に読んでいて、今ようやく1990年の『図書館警察』を読んでいるのですが、うーん、これからしばらくすると停滞するのか…。
他に『図書館の魔女』『英国一家、日本を食べる』。