本の雑誌 2014年7月号 (No.373) 総天然色まいったか号

本の雑誌 2014年7月号 (No.373) / 本の雑誌社 / 694円 + 税
表紙デザイン 和田誠 / 表紙イラスト 沢野ひとし

特集は「絶景書斎を巡る旅!」。タイトル「総天然色まいったか号」のとおりに冒頭は、驚きのカラーページで自慢の書斎が紹介されます。これがまた素晴らしい書斎と写真で(キャプションはちょっと恥ずかしい)、眺めているだけでうっとりとなり、妄想も膨らみます。照明の関係か、内容が元々そうなのか基本は茶色い棚で、美術館か神保町の由緒正しい古書店で貴重品を眺めているような感じですが、池澤春菜の本棚だけは例外。超ストライクゾーンど真ん中。これは行ってみたい! 行って、1冊ずつ出しては表紙を眺め戻したい! そして自分でも真似したい!
棚を注文するなら渡辺武信に是非! 建築家で本好きの建てた家なんて理想的過ぎるでしょう。文庫本を前後に並べなくて済む奥行きの重要性を、なかなかわかってもらえませんから。ところで「小屋裏」をみんな知っているのでしょうか? これ本好きが家を建てる際は必須項目(本好きでなくても役立ちそうだけど)ではないかと。私も押し入れの奥でなく、小屋裏に「本の雑誌」バックナンバー並べたいです。
関連で『図書室の魔法』。素直に喜ぶ池澤春菜と、恥部をえぐられもだえ苦しむ大森望のギャップが楽しいです。

今号で一番面白そうだったのは北上次郎が担当外だけどお薦めするマーク・グリーニー『暗殺者の復讐』。21世紀に突如舞い降りた冒険小説の神、だそうです。マクリーンやヒギンズ、クレイグ・トーマスにのめり込んだ人間としては興味大、トム・クランシーとの共作まで買う羽目になりそうです。

そして森絵都『クラスメイツ』。公立中学1年A組24人の視点で1年間を描くアクロバティックな展開は凄そうです。きっとうまいんだろうなぁ…。

矢口誠は自分の評価が世間の評価とまったく異なる場合にどう思うか、という話し。書評家なんてやってれば気になりますよね。私でさえ、東野圭吾『白夜行』がまったくダメだったのは記憶していますし、気になっていますから。
穂村弘の「雑味」とは70年代の漫画にあって、80年代に消えていったもの。おそらく当時のマガジンにあって、サンデーになかったものですよね、分かります。私はその「雑味」が苦手だったので特に …。

『酒中日記』は映画化されたのですね。ここで写真が見れますが…、おりょ、平松沙理かよ。

映画「酒中日記」撮影|平松沙理♡blog

杉江松恋は綾辻行人の10冊を紹介。同時代に生きたのに新本格を軽く無視してもったいないことをしたなぁ、と。そういえば紀伊國屋書店本店の『紀伊國屋ビル竣工50周年特別企画』 東京創元社&早川書房&紀伊國屋書店★合同記念フェア では、年表とともに本のタイトルが並んでいて、1991年だったか「新本格ファンはこれらの本が同じ年であることをかみしめよ」的なあおりがあって、羨ましいなと思っていました。

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