本の雑誌 2025年7月号 – 麺半分、野菜半分、ニンニク少し、アブラ

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本の雑誌 2025年7月号 (No.505) 匍匐前進ミズタコ号 / 本の雑誌社 / 800円 + 税
表紙デザイン クラフト・エヴィング商會 [吉田博美・吉田篤弘] / 表紙イラスト 沢野ひとし

特集:メニューを読書する!

冒頭から池林房のメニューでカラー8ページ。バカバカしくていいな。
特集の中身はメニューは店や料理人を表しているねって話がメイン。美味しそうな料理店の紹介特集にもになってます。
岡本仁の酒の飲み方に共感。ただ飲んでるだけで何もしない。スマホも本もマスターとの会話もなし。ただぼんやりしている。同じだ。スマホの写真が残っている時点でダメな客、と自認していて、それでもたまに撮るところまで同じ。
村瀬秀信はデニーズのメニューを江口寿史の定期連載だと紹介。いいなぁ。画集のどれかに奥さんがウエイトレスのモデルになっている写真もありました。
堀井憲一郎はラーメン二郎の頼み方。そうか小で、麺半分だな。あと調べると最初は「野菜半分ニンニク少しアブラ」が良さそうだ。

新刊

大森望が紹介する『非在の街』は面白そう。地図製作者が意図的に仕込む間違いが実在するという話。史実でそんなのもあるらしい。で調べると
https://gigazine.net/news/20081125_paper_towns/
あー、なんか話半分っぽいな。そこがまたリアルだ。
梅原いずみは『名探偵再び』。先月号?で紹介を読んだときはさほどでもなかったけど、紹介された推理の手法がちょっとおもしろい。仕掛けられたネタにも興味。
吉田伸子は『あんずとぞんび』の紹介で「未知のウイルスによるパンデミック後のお話だ(SFではない)。」と書くのだが、うーん、十分わたしの考えるSFなのだけど。

広告の『ポピュリズム』が面白そう。直接民主政が導入され首相を直接選挙で選ぶ時代の選挙ショー。これはひどいことになるよな。
もう一つ広告で大山顕『マンションポエム 東京論』。これ連載でも超絶面白かったんだよね。「逆梁アウトフレーム工法」の裏側論とか「垂直に伸びた郊外」とかほんと、破壊力が凄かった。刻と書いて「とき」と読み、「住む」ではなく「棲む」「澄む」。言葉を尽くして「マンション」を語らない!

連載

読者アンケート「この御当地本が好きだ!」の『黒い陽炎 県闇融資究明の記録』高知新聞編集局取材班は面白そう。
山脇麻生の漫画は『チハヤリスタート!』。挫折の原因がコロナで、それを今もひきずってるだなんて…。コロナはフィクションにまで落とし込まれるほどの歴史の1ページなのだなと再認識。
urbanseaのページの見出しで、タイトル「近代出版研究」を「近代文学研究」と誤植。あらら。
井上荒野は64歳で自動車免許にチャレンジ。田舎に住むとどうしてもそうなります。ペーパードライバーの私も今後を考えると他人事ではない。
泉麻人1956年生まれ、坪内祐三1958年生まれ。そうか年代が近かったのか。連合赤軍事件は子どもなら猟奇的にも面白すぎるよな。
北村薫は虞美人草の挿絵の竹中英太郎。連載された「クラク」の表紙でなく、その挿絵を載せてほしいぞ。
津野海太郎は長田弘と関係があったのか…。と思いながら、久しぶりに『長田弘詩集』(思潮社)をぱらぱらしたら、「作品論」を書いているのが津野海太郎でした。関係あったのかのレベルじゃありません。あとwikipediaを見るたびに、弟は青山南なのか!?と驚きます。おっと、今月書いた人の岡崎武志も長田弘。
服部文祥は期待したシュレディンガーはちょっと。メインは『人類はどれほど奇跡なのか 現代物理学に基づく創世記』。宇宙という想像を絶する巨大サイズと量子という想像を絶する極小サイズのギャップで、生命の誕生もそこまで奇跡ではない、ということか。
「黒い昼食会」の「鉄道模型趣味」1000号のお詫び。確かにかっこいい。
https://www.imon.co.jp/web/pdf/tms1000.pdf
北原尚彦は『SF次元へのパスポート』。わたしも小さいときにこうした本に触れたかった。ただ私には「神保町より中央線の中野以遠」を探せと言われても、海外通販と変わらないけど。
鏡明は『伊藤典夫評論集成』。「昔のSFのことを、今、読んで、どれほどの意味があるのか。そう思うkもしれない。」まさにそこが私が購入を躊躇う部分です。「ニューウェーヴと称するものが、周回遅れの前衛という感じだったからだ。」あー、世代は異なりますが私も同じように思ってました。「スター・ウォーズ」一発で吹き飛んだ感。
青山南は『パパヤガの夜』。日本語の仕掛けと英訳の話しらしく慌ててページを閉じる。読んでみたい。横溝正史の英訳がまた気になった。
円城塔は『反中絶の極右たち』。白人至上主義者の「恐怖」があり、子どもを増やすには女性の社会進出を止め、中絶を止めるべきだという考えだとか。腑に落ちる、かなぁ…。
藤岡みなみの宅急便を待つ様子が同じー。なので『いつ? 何時何分何秒? 地球が何回まわったとき?』の別世界への鍵は気になりました。
風野春樹は日本ではなぜ車輪のついた乗り物が発達しなかったのか、なぜ駕籠なのか。へぇ、幕府が禁止してたそうです。左側通行の謎も解説。『「人は右、車は左」往来の日本史』。
堀川夢の読み物作家ガイドは長野まゆみ。名前だけ知ってたけど元はジュブナイルSF系なのかしら。『テレヴィジョン・シティ』『カルトローレ』と良さげ。BLは興味なし。

ところで偶然、池林房の広告マンガが減ってる? と思って、探すと池林房、浪漫房、犀門しかない。
梟門物語(2024年12月号 p.86 その406) には「もうそろそろか!?」とあってそれが最後だったみたい。陶玄房も閉店しているらしい。編集後記にも「太田篤哉率いる房チェーンは三店」とある。もっと行かねば。

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