ファウンデーションの彼方へ – ミュールってなんだっけが終始つきまとった

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ファウンデーションの彼方へ 銀河帝国興亡史4/ アイザック・アシモフ / 岡部宏之訳 / 早川書房 1800円 (古書店で105円)
装幀: 鶴田一郎
Foundation’s Edge by Isaac Asimov, 1982

ファウンデーションの議員トレヴァイズはセルダン・プランの順調な進み具合に疑問を唱え、ブラノ市長から、歴史学者ペロラットの伝説の星「地球」を探す旅を隠れ蓑に、第二ファウンデーションを探すよう命令される。第二ファウンデーションの発言者ジェンディバルは、トレヴァイズの危険性を訴え、トランターの現地人ノヴィと共に、トレヴァイスらが向かったセイシェル星系のゲイアを目指す。

「ミュール」とやらがいたことをは覚えているものの、それ以外はすっかり忘れた銀河帝国興亡史三部作の30年ぶりの続編。オリジナルは1982年で、翻訳は1984年。ガイア理論の「ガイア」は「ゲイア」と訳してあり(文庫版では変更)、タキオンとか、量子論の並行世界とか、諸々古くて懐かしい感じがします。

全体としては冴えない会話と、あっち飛びこっち飛びの展開に退屈。後出しのキャラ設定と秘密兵器? も目障りでした。特に、ブラノ市長が腹心の部下コデルにさえ隠しているものがある、という設定はアンフェアでしょう。ラストの「時間稼ぎ」と続編への期待もちょっとひどい。

アシモフは後年、すべての作品を1つの世界にまとめようとしたらしく(何なら『ミクロの決死圏』も?)、本作品でも、おぉ、と唸る展開があります。読了直後の読み心地は悪くなかったので、この部分は効果的だったのでしょう (私自身が騙されたというのもありますが)。

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