ゴースト・ストーリー(上)(下) / ピーター・ストラウブ / 若島正訳 / ハヤカワ文庫NV / 640円(上)、680円(下) 税込
カバー 影山徹
Ghost Story by Peter Straub, 1979
落ちぶれた新興住宅地が深い雪に閉じ込められたとき、古代から営々と続く妖かしの化物がよみがえる、タイトル通りまさに、怪談。
プロローグの勿体ぶった導入に、最後は失望のオチが付くのだろうと恐れていましたら、予想に反して素晴らしいエンディングとして帰ってきました。上下巻の分厚い本ながら途中まったく飽きさせることなく、また焦点がぶれることもなく、実直に化物と人間の闘いを描きます。
そういえば『タリスマン』はキングらしからぬ、構成のはっきりしたストレートな物語でしたが、ストラウブの影響が大きかったのでしょうね。何となく語りが上手なところはジョン・ガードナーを思わせます。