本の雑誌 9月号 (No.327) / 本の雑誌社 / 648円 + 税
表紙デザイン 和田誠 / 表紙イラスト 沢野ひとし
特集は「たちあがれ、翻訳ミステリー」。発売直後に大森望や古沢嘉通が Twitter 上を賑わしていましたが中身的にはどうということもない内容で、何を今さらという感じ。その点ではトヨザキ社長のつぶやきが冷静でよかったし、あるいは既に発売されている10月号の三橋曉の冒頭の段落がすべてだと思います。売れない原因がどこにあれ、いいものを出して、いい評価を述べていくだけの気がするのだけどな、と思うのは SF冬の時代と今の活況ぶりを知っているからか? いつかは結果が付いてくる、と思いたいです。
ところで定期購読より一般売りの方が2日も早いなんて、納得行かないんだけど、そういうものなのかなぁ。
新刊紹介では金子のぶおのすべての本と、北上&大森推薦の「ハンターズ・ラン」が記憶に残りました。穂村弘は本と出会うタイミングについて。よくある話ですが、彼の正月休み中の部室で出会う萩尾望都というのが出来すぎていて素晴らしい。絲山秋子の心の姑もらしくていいですね。坪内祐三の「噂の眞相」風一行情報は一回だけ。うーむ、気がついていたのに10月号にきっちり書いてある、残念。はらだみずき「サッカー・ストーリー」は結末を匂わせながらの急展開。うまくいって欲しいなぁ、二人。
他に、風野春樹推薦『犬として育てられた少年』、宮田珠己のオホーツク文化。高野秀行のオアシス・バーはもっと無茶苦茶なものを期待し過ぎて残念。十分ヘンだけど。
そうそう、元編集部の浦さんがライターとして参加しています。