宗像教授異考録 第一集 / 星野之宣 / 小学館 / 1300円 (1238円)
ブックデザイン 木谷正和[エクスプリム]
民俗学者宗像教授が古代伝奇に挑む、というかかなり強引な自説を展開するシリーズのリニューアル(?)最新作。イタコ、信玄と謙信の金争いに例えられたムカデvs龍、聖徳太子とキリスト、酉年に絡めたインド、マハーカッサパ。
星野之宣の永遠のテーマ、鉄と火の伝播はさほど深追いされず、自説の展開も今回は割とおとなしめ。遮光器土偶がイタコだったり、聖徳太子の伝説に聖書を重ねたりと、まぁ「説」は出てきますが、あくまで物語の背景だったり、相手の説を受けての展開だったりと、構成がうまく、素直に楽しみながら読めました。
素晴らしいのが表紙カバー。「お待たせ」という感じがとてもよく出ていますよね。中表紙の背景の本棚は、星野さんのかな? 最近話題の判型はA5。星野さんはやはり大判がいいですよね。そう言えば「2001夜物語」には文庫版があるそうです。泣きたくなりますね。