- 出版社/メーカー: 本の雑誌社
- 発売日: 2008/07
- メディア: 単行本
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本の雑誌 8月号 (No.302) / 本の雑誌社 / 680円 (648円)
表紙デザイン 和田誠 / 表紙イラスト 沢野ひとし
まだまだ続くよ特大号。そういえば、以前100号記念だか何かで目黒さんが記念号(100号?)には通常号を出しておき、翌月号に特大号をやる、特に意味はないけど面白そう、と企画したけど椎名さんに拒否された、という件があったけど、今回のはそれを倣ったのかも、とちょっと思ったり。さて。冒頭、絲山秋子のオールタイムベスト10が、とても面白そう。紹介の仕方も言葉を選んだ丁寧なもので、書く姿勢に感動しました。
特集は「2008年上半期ベスト1」。顧問と発行人で決めたのかな。「赤めだか」「忍びの国」「平成大家族」がトップ3。読者選出ベスト1がどれも面白そうです。
おなじみ柴口育子の雑誌読み比べは50代「から」の雑誌。どの雑誌も編集に苦労してるようですが、柴口さんの若干、辛口気味の評もあってかちょっとなー、という印象のものばかり。そこまでして雑誌を出したい動機は何なんでしょうね。
意外と面白かったのはサッカー本ベストイレブン代表選考会。おたくの会話は聞いているだけで楽しいものがありますが、それがいい具合に紙面で表現できています。適宜、言葉も補われているのでしょう。編集の勝利。
エンタメノンフ系は宮田珠己が「アボリジニの世界」を紹介すれば、高野秀行は「コンゴ・ジャーニー」を紹介。前者はまるで異なる世界観やドリームタイムと呼ばれる世界の始まりの時間という概念を、後者はそこにすっぽりはまってしまう日本人の立ち位置を教えてくれ、それぞれ面白かったです。
江弘毅「ミーツへの道」は素晴らしき服飾文化と、角川のウォーカーがダメにした情報誌文化に対する批判。北上次郎は興奮と胸キュンの高校生スポーツ小説として「ぼっくす!」と「ひゃくはち」。悪くないんだけど、紹介記事の直後に「ひゃくはち」の宣伝ページがばーんと入ると提灯記事みたいでちょっとな。そのつもりはないんだろうけど。同じことは「サッカーボーイズ」にも言えます。