本の雑誌 11月号 (No.329) / 本の雑誌社 / 648円 + 税
表紙デザイン 和田誠 / 表紙イラスト 沢野ひとし
特集は『カフェで本を読もう!』。少し前にあった「俺たち、カフェに行けるか?」問題からの発展でしょうか。ただカフェを正面から取り上げたのは冒頭の体験談だけで、あとは喫茶店に(泉麻人と亀和田武の対談は面白かったけど)、カフェ本批評に(高頭佐和子には実際にカフェを回らせた方がよかったのではないか)、二日間でアイスコーヒーでお腹をタポタポにしながらマックやドトールと一緒に取り上げられるカフェ店。カフェは苦手なのだなぁ > 本の雑誌。
お待ちかねの高野秀行はサハラ・マラソンの続き。類は友を呼ぶ的な日本団が、いかにもな運営組織の下、マドリッド経由で西サハラに入り、現地のテント村に泊まって、以下次号。残念。トヨザキ社長は柴崎友香『寝ても覚めても』の紹介で内容には触れないで気持ち悪さだけ伝えることに成功。恋愛小説なんて…と思っている口なので楽しみです。
木村弁護士は自作小説執筆の行き詰まりからクーンツの『ベストセラー小説の書き方』。木村さんはただひたすらに感心していてその姿勢はとても素晴らしいのですが、クーンツ本を大量に読んだ私としては少々複雑。あまりにひどいのもいっぱいあるしねぇ…。
めったくたガイドでは三橋曉が6作中3つを五つ星、残りもすべて四つ星以上。年末に向けて勢いのある出版が続いているようです。その他、トーマス・ピンチョン『逆光』、<ファージング>三部作、麻耶雄嵩『隻眼の少女』、乾くるみ『セカンド・ラブ』、綿矢りさ『勝手にふるえてろ』、藤井旭『月齢早見』(これは書籍なのか?)など。